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君の歌が聴きたくて  作者: ネロ2世
41/54

伝えられない(賢也side)



ケン「久しぶり、汰一。」





汰一の目線に合わせて、少しかがんで


優しく頭を撫でると


懐かしい笑顔で淡々と喋り始めた。





タイ「ケンにーちゃんが、ねーちゃんのこと祭りに誘ったんでしょ?」





ケン「えっ........」





そんな汰一の言葉に一瞬ドキンとなる。





(琴........汰一に言ったんだね........)





ケン「そ、そうだよ。(笑)」





「こ、こら!!いいから早く家帰れっ!!!」





琴がそう言っても、その場から離れない汰一。





タイ「えーー何ーー?これから何かするのーー?ケンにーちゃん。」





(え................)





汰一は、ニヤニヤしながら俺を見上げてきた。





(な、何するって........)





「汰一ぃいいいい家帰ったらどーなるか、わかってるよね?」



タイ「ハイハイ帰りますよーー♪」





そして、笑いながら走って家へ帰って行った。





(前より少し成長したなぁ。)





「ご、ごめん……(笑)ほんっと、うるさいアイツ。」




ケン「ヘラッ)いいじゃん汰一みたいな弟。」



「どこが?!!」




ケン「元気で…....健康で、勉強が全然出来なそうなところ。」



「ナニソレ。事実だけど。(棒)」





(笑笑................)





ふと、琴が着ている浴衣に視線を落とすと



嫌なことを思い出してしまった。








原さんが.............



琴の為に選んだ浴衣。



琴には、すごく似合っていて....



嬉しいはずなのに....







ケン「............ねぇ琴。」



「んーー?」





夜空をボーッと見上げていた琴は


今度は俺を見上げた。





琴の瞳には、俺の顔が移り込む。





(琴には、俺だけを見ていて欲しい....)





そんなこと、口に出せずに....






ケン「....................何でもない。」





「え?もう何?....................」





眉を寄せた琴は、自分の腕時計を確かめた。





「あ、じゃあそろそろ帰らなきゃ。」



ケン「...うん。今日は、楽しかったよ。」



「うん!私も!」




琴は、手を振りながら家の中に入っていった。









(............やっぱり駄目だ............。)






いつからだろうか。



俺が琴を意識するようになったのは...




いつからだろうか。



琴から目が離せなくなったのは...




この気持ちが、琴に知られてしまったら



今までの俺たちの関係は、どうなるんだろう。




嫌だな。



壊れたりしたら




だから、絶対。








俺の気持ちは、伝えられない........



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