表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/24

ランクアップ試験

一難去ってまた一難……。リベルテさん、頑張って!


そして、読者の皆さん頑張って!凄い、長いです!

カルマは、紅茶を飲みながら心配そうにしていた。あの後リベルテは、調子がすぐれないらしくすぐに部屋に入ってそれっきり出てこなかった。


「あらぁん、カルマちゃん元気ないわねぇん。私に、どんと言ってごらんなさぁい。」


「ギルドマスター。リベルテなら、まだ部屋で寝ていますよ。起こして来ましょうか?」


カルマは、リベルテに用があるのだろうと言う。


「残念。今日は、カルマちゃんに用があるのぉ。」


「えっ、俺にですか?」


「そぉよん。」


「えっと、今日は依頼はちょっと……。」


リベルテが、心配なのか断ろうとする。


「おはよう。カルマ、ギルドマスターとして依頼されてるなら受けた方が良いと思うぞ。」


リベルテが、2階から降りてきて柔らかく笑う。


「リベルテ。体は、大丈夫なのか?」


「あぁ、大丈夫だ。」


席に座り、暢気に出された紅茶を飲む。


「うーん、リベルテがそう言うなら受けます。」


「さてとぉ、今からCランク冒険者で5人グループを作って欲しいのぉ。ただし、別なクランのCランク冒険者としか組んでは駄目よぉん。そして、ワイバーンを2体討伐してきてちょーだい。報酬は、ワイバーンの素材と銀貨20枚よぉん。」


それを聞いて、一瞬だがリベルテが薄く笑いリーダーははっきり笑う。カルマは、一瞬で薄い笑みなので気付かない。だが、リベルテが反論しないのを見てから頷いて外へ仲間探しに行く。


「リベちゃん、辛いのに起こしてごめんなさいねぇん。まだ、倦怠感もあるでしょうに。」


「気にするな。俺はただ、カルマの足を引っ張りたくないだけだ。あと、急すぎないか?」


暢気に笑い、少し考えるように首を傾げる。


「あら、やっぱり分かった?」


「あぁ、懐かしいな。Bランク冒険者昇格試験。」


嬉しそうに、花のような笑みで言う。


「ピンポーン!カルマちゃん、この間の騒動でギルドからのポイントが貯まったのよ。それで緊急だけど、その他のポイントの貯まった人もやっちゃえと思ってねぇん。だから、助かったわぁん。」


「まったく、俺のせいでランクアップに失敗させるわけにはいかないからな。」


すると、受付嬢が慌てたように入って来る。


「ギルドマスター、大変です!」


「どうしたのぉん。」


審判者ジャッチメンターの、人数が足りなくて帰還も間に合いそうにないんです。どうしましょうか?」


「困ったわね。スキル審判者ジャッチメンターを持ってる人なんて……」


と言って、リベルテを見る。


「ん?」


リベルテは、我関与せずとばかりに朝食を食べていたのだがアルドと目が合いキョトンとする。


「居たわ、目の前に……。」


「え?」


状況がのみ込めず、オロッとして思わず戸惑いの声を漏らす。確かに、魔法が使えなくてもスキルは発動出来る。出来るんだが……


「リベちゃん、お願いして良いかしら。」


「何をだ?」


ガクッとして、リベルテを見るアルドと受付嬢。


「ギルドマスター、リベルテは仕事の話だろうし聞いたらまずいかもと思って聞かないようにしてたのでは?最初から、小声で話してましたし。」


リーダーが、優しくフォローをいれる。


「リベちゃん。今現在、全スキルは使用可能かしらぁん。出来れば、人が足りないから手伝ってぇ。」


「スキルなら、大丈夫だが。でっ、何をすれば?」


「姿と気配を、消して昇格試験の審判ジャッチをして欲しいのよぉん。頼めるかしら。万が一、危険行為や緊急時の時は素早く対処してねぇん。」


「でも、滅多にそんな事は起こりませんから。」


アルドと受付嬢が言う。リベルテは、頷いて皿を流しに持っていく。そして、アルドに言う。


「そう言えば、俺の冒険者ランクはどうなるんだ?うやむやに、なったけどばれたんだろ?」


「あっ、そうだったわ。リベちゃん、冒険者カードを出してぇん。今すぐによぉん!」


「やっぱりか……。」


リベルテは、少し疲れたようにドヨーンとする。


「ほらほら、ちゃっちゃと出しなさい。」


「何々?リベルテさん、降格しちゃうの!?」


子供とは、時に残酷である。皆が、思わず固まる。


「な訳有るかよ。俺らと同じ、Sランクに戻るんだよな。しかも、セピアドからの手紙つき。」


クウザが、含みを入れて真剣にリベルテを見ながら言う。すると、リベルテは目を丸くする。


「待て!何で、セピアドが!?」


「そんなの、1つしかないだろ?」


その言葉に、言葉につまるリベルテ。


「あのぉ、セピアドって何ですか?」


ルナは、おずおずと手をあげる。周りも、知らないのか答えを待つ。リーダーは、驚きに固まる。


「この世界で、ただ1つしか無いZランク冒険者になるためのランクアップ試験場のある国だ。」


「つまり、リベちゃんをセピアドに招待するからランクアップ試験を受けてって言う手紙よぉん。」


リベルテは、ため息をついてカードを出し手紙を破り捨てた。二人は、分かってたのか苦笑する。


「Sランクには、戻るが試験は出ない。」


「やると思った。」


「本当にねぇん。」


すると、男の人が来る。そして、礼をして言う。


「私は、セピアドの第一王子カシルだよ。」


リベルテは、少しムスッとして言う。


「リベルテです。何か、ご用でしょうか?」


「敬語、止めてくれないかな。同じ、王子様どうしなんだからさ。呼び捨てで構わないよ。」


ぐいぐいズイズイと、近付いて来るカシルに思わず後退るリベルテ。どうやら、リベルテはカシルに気に入られてしまったらしい。何故だ……。


「恐れながら、私は身分を捨てた身です。つまり私は、平民で冒険者です。お間違えの無いようお願いいたします。あと、少し離れてください。」


すると、ニコッと笑って離れると小さく言う。


「なるほど、合格だね。トラブルで、魔力が使えないとは聞いてましたがかなりのステータスと素晴らしいスキルと技術。それだけではなく、自分の地位にも溺れる事もない。そして極めつけは、祖先である勇者の生まれ変わりだってことでしょうか。それにしても、ノワールの奴め子供が居たなら言えば良いものを。とにかく、第1難問はクリアです。」


「勝手に、私のステータスを見ないでください。」


リベルテは、少し不愉快そうに言う。


「えっ、勇者の生まれ変わりなのか!」


リベルテは、思わず固まる。そして、ため息混じりに本音を言う。メンバーに、隠し事はしたくない。


「俺も、親父に聞いただけだがそうみたいだ。」


「と言う訳で、我が国へ招待しに来たよ。スカウトや、引き抜きも考えているし。」


「お断り致します。勇者の生まれ変わりだから、親父の息子だから来たようにしか聞こえないので。それに、俺はこのクランを抜けたくないので。」


「それは残念。でも、本当に良いの?」


リベルテは、頷いて2階へ上がっていく。


「なるほど、ノワールの時も大変だったけど息子もかぁ。うん、でもそう言うの嫌いじゃないよ。」


「お前、まだ諦めないのか?あいつは、ノワールよりも手強いぞ。それと、力ずくは止めとけよ。」


「参考までに、何でか聞いてもいいかな?」


すると、クウザは真剣に言う。


「リベルテの実力は、もう既にZランクにいたっている。その気になれば、俺らベテランをあっさり殺せるだけの力を持ってるんだ。たぶん、ノワールよりちょいしたか同等くらいだと思われる。」


その言葉に、カシルは驚き真剣な表情をする。


「その言葉の根拠はなんだい。君は、いったい何を見たんだ?嘘偽り無く答えてくれ。」


「リベルテは、アーティファクトに抵抗する事が出来る。それは、Sランクでも出来ない。そして、そんなことを出来るのに少し前までそんなそぶりも片鱗も微塵も見せなかった。隠し通していたんだ。俺達、ベテランが見抜けないくらいの演技で。」


「なるほど、道化師は道化師だったと。」


困ったように、考え込むカシル。


「それと、古竜が尻尾巻いて逃げるくらいだ。あれは、竜王の息子だった気がしたけど。」


遠いい目で、ため息をつくクウザ。


「このままだと、あの人達が動いちゃうかも。」


「捕縛者か?それは、少しまずいかな。何せ、ノワールの師匠が居るからな。」


苦々しく、吐き出すように言う。


「そうそう、わたしがいるからね。」


「ゼフ。私が、帰るまで行動には移さない約束だと思ったが。これは、何のつもりだ?」  


「私は、個人的にリベルテに会いたいだけだよ。彼らは、貴方のお出迎えですよ。」


「待て、リベルテに考える時間を……」


「えぇ、ちゃんと与えますよ。でも、ノワールの時もそうだったけど駄目だったら強制的に捕縛しますからね。どれだけ、犠牲者が出ようとも。」


するといつの間に、居たのか服を着替えたリベルテが感情の無い表情で言う。


「なるほど、じゃあ親父のあの傷はお前達が。」


「そうだよ。強者は、対処ができないからランクや爵位などで縛る必要がある。君の父親は、それを拒みあの傷を私から受けた。そして、妻を人質に取ったらあっさりと試験を受けてくれたよ。さて、君は誰を人質にすれば良いかな?」


リベルテは、苦し気な表情をする。


「時間は有るから、よく考えておいておくれ。」


「何で、どいつもこいつも俺を縛ろうとするんだ!俺が、何をしたって言うんだ……。」


悲しみに、涙を流すリベルテ。


「あんた、最低になったな。リベルテまで、ノワールの二の舞にさせる気か?心が壊れるぞ……。」


「それでも、私は実行するし壊れたなら器じゃなかっただけの話だろ?まぁ、ノワールの子だし期待はしているけどね。3年後、また会おうね。」


ゼフは、その場から消えてしまった。


「とっ、とにかく。俺は、審判をしてくる。」


リベルテは、表情を見せずに出ていった。




カルマは、何とかグループを作りワイバーンを狩りに来ていた。リベルテは何とか追い付き、気配と姿と音を消し審判者のスキルを発動させてこっそり追いかける。リベルテは、さっきの事を暫く忘れる事にした。でないと、集中する事が出来ない。


「うーん、なかなかワイバーンが見つからない。」


「おい、あれを見ろよ。」


少年の指差す方に、2体のワイバーンがいる。


「もしかして、つがいなのか?」


青年が、真剣な表情で言う。だが、カルマは首を左右に振り違うと呟く。


「竜の性別は、3つの方法でわかる。ひとつ目は逆鱗の位置だ。雄が首、雌は胸元にある。二つ目は、尻尾だ。雄が長く、雌は短い。3つは、体つきかな。雄はごつく、雌は少しこがらで雄ほどごつくはない。と言うことは、あれらは雄だ。」


「へぇー、知らなかった……。」


4人に、凄いと言われてカルマは苦笑する。


「随分前に、俺の友達が教えてくれたんだ。」


「友達さん、ランクはどれくらいだ?」


青年が、興味ありげに聞く。


「それが、良く分からん。」


「何だよそれ。さて、つがいじゃないなら討伐開始だ。くれぐれも、油断するなよ。」


5人は、ポジションにつきワイバーンに少しずつでも確実にダメージを与えている。


これなら、俺が出るまでもないか。


リベルテは、そう思いながらも剣に手をかけたまま不測の事態に備える。試験とは、最後まで何が起こるかわからないのだ。今のところ、この班には不正やたいした騒ぎもない。次を、見に行くとしよう。


「にゃはっ、思わず殺しちゃった♡」


リベルテは、姿を現しポーションを四人にかけてやる。そして、少女を見て静かに言う。


「リィーサ、試験不合格と審判者は宣言する。」


「えー、私は悪くないよ!そいつが、襲ったから思わず殺しちゃっただけだもん。」


「そっか。でも、不合格だ。お前なら、この四人を無力化するくらい朝飯前のはずだろ?」


そう言って、近くの審判者に連絡する。


「また、あんたか!あのな、味方を傷付けるなよ。変態でも、あんたなら余裕で捕縛出来ただろ。」


「ここは、任せる。済まないが、良いだろうか?」


「はい、お任せくださいリベルテさん。」


リベルテは、他の班を見てカルマの班の場所に戻って来る。ワイバーンを倒し、座り込む彼らに薄く笑みを向けて立ち去ろうとして止める。空から、ワイバーンを横取りしようと成竜が3体来たからだ。


勿論、カルマも気付き逃げるように言う。その表情は、もちろん険しく残念そうであった。


「カルマ、お疲れ様だな。」


「リベルテ!?」


「もしかして、さっきのお前の友達さんか?」


「あぁ、そうだ。リベルテ、魔法が使えないのに倒せるのか?いくら、お前でも無理なんじゃ。」


すると、リベルテは不敵に笑って言う。


「魔法だけが、俺のすべてじゃない。ザクッと、討伐するから。少し、離れてくれ。」


結果的、力無く転がる3つの成竜の死骸。


「すっ、すげぇー。」


「リベルテ、お前はどんだけ今まで手加減してたんだよ?そんなに、強かったなんて。」


「一応、現在の最高ランクの端くれ何だが。」


リベルテは、苦笑混じりに小さく呟く。それを聞いて、カルマは驚き納得する。


「やっぱり、回避できなかったか?」


「あぁ、出来なかった。さて、カルマとナトとアンラとイレとバーム。この五名を、審判者の名のもとに試験合格とする。Bランク昇格、おめでとう。冒険者の先輩として、心から君たちのランクアップを祝福させて貰うよ。解散!」


「あっ、あの!リベルテさんは、先輩ってことはランクは俺らよりうえなんですか?」


すると、笑みを浮かべ暢気に言う。


「もちろん。」


「でも、漆黒はBランク冒険者ですよね?」


「それは、表での俺の姿だ。」


それを聞いて、カルマ以外が驚く。


「「「「えっ、ええー!?」」」」


「本当の俺は、Sランク冒険者で知略の道化師だ。アルドにも、もう隠すなと言われているからぶっちゃけるけどな。さてカルマ、俺は先に帰るぞ?」


懐から、知略の道化師の仮面を出す。


「お前、爆弾を落とすだけ落として去るつもりか?お前のせいで、大変な事になりそう何だが?」


「それなら、お茶でもするか。暇だろ?」


「まぁな。でも、お前は大丈夫なのか?」


すると、頷いてから伸びをする。


「良いんですか?」


「もちろん。カルマの人選した人だし、人格に問題なさそうだから。それに、冒険者にとって格上とのパイプは心強いだろ?そう言う、意味でのお誘いでもある。カルマも、俺とクウザやアルドだけじゃなく他のパイプも持っていた方が良い。」


ギルドに、入ると手伝いのベテラン冒険者達が休憩している。リベルテを見て、軽く会釈したり手を振ったりしている。クウザも、手伝いに参加してたのか近付いて来る。Sランクに、囲まれる形に。


右から、クウザ、アルド、リベルテ、カリオス、ランドル、レオ、マルクである。この世界で、7人しか居ないSランク冒険者。しかも、リベルテは全員と知り合いで6人は昔リベルテに忠誠を誓てたメンバー。豪華なメンバーに、四人は固まりカルマはクウザとアルドとカリオスに挨拶をする。


他の3人は、それを見てカルマに興味を持つ。


まぁ、リベルテが純粋な笑みをカルマに向けていたのもその原因なのだが。


こうして、5人は大きなパイプを得る事に為った。


帰りつき、カルマのランクアップのお祝いをする。だが、皆の視線はリベルテに向けられていた。

さて、ひとまずリベルテのランクアップ試験から離れます。さて、次はダンジョンだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ