壊れた道化師
リベルテさんの、少し暗いはなしです。
( ;∀;)
リベルテ達は、座り思い思いに注文する。
「それで、積もる話って何だ?」
「クウザから、聞いたんだけど誓いを解きたい?」
「俺は、皆を縛りたくない。」
お酒を飲んで、苦笑する。
「そうだな、誓いで一番縛られるのはリベルテだしなぁ。もしかして、辛い思いさせたか?」
「まぁ、否定はしない。」
言葉を濁して、お酒を飲む。
「わかった、誓いを解いてくれ。」
リベルテは、皆をしっかり見て頷く。
「我が誓いは、途絶え消え去るだろう。縛りは、今解き放された。そなたらに、最後の命を与える。自由に、生きたまえ!主、リベルテが許す。」
リベルテは、慌てて魔力をコントロールする。今まで、誓いの術式によって分散していた魔力が自分の体に戻って来たからである。
「リベルテ、魔力量がまた増えたか?」
「………みたいだな。」
そこからは、個人的な話から盛り上がっていた。
「若は、好きな子出来た?」
「出来てたら、ここに居ないだろ。」
暢気に、笑う。
「リベルテ、男全員でお酒をどれくらい飲めるかやるぞ!男なら、腹をくくれ。」
「まぁ、今日は飲もうかな。けど、カルマは止めておけ。お前は、お酒が弱いだろ。」
振り向いて、カルマを探すリベルテ。
「残念だけど、遅かった見たいだよ?」
ロイが、ワインを飲みながら言う。
「二日酔い、確定コースだな。御愁傷様………。」
「だねぇー。それにしても、リベルテはお酒で酔わないんだね。何か、ケロッとしてて少し悔しい。」
「なるほど、このアルコールの高い酒はロイが持ってきたのか。けど、俺は並大抵の酒じゃ酔い潰れないから安心しろ。そう言う、訓練を受けているからな。ロイも、王族として受けてるだろ?」
すると、ため息をついてショノンとする。
「受けているけど……。僕でも、そのお酒で酔い潰れるんだよ?いったい、どんな体してるのさ。」
「えっと、だな。親父に、神酒ソウマを飲まされてから大抵の酒では酔い潰れなくなった。あの時は、二日酔いの頭痛と吐き気でヤバかったよ。」
「なっ!神酒ソウマだって……!?良いなぁー、神も酔わす神秘のお酒!でも、簡単には手に入らない幻想級の究極レアドロップ品なんだよ。」
目を輝かせるが、リベルテの表情を見て固まる。
「口にいれた後の、記憶が無いほどのお酒だぞ?味すらも、感じる前に酔いつぶれる。しかも、親父からの特訓だから逃げることさえ叶わない。」
「うわぁーお……。もう、拷問だね。というか、リベルテのお父さんって厳しい人なんだね。」
すると、リベルテは苦笑して言う。
「その頃、俺は5歳だぞ。アルコール中毒に、何でならなかったのか不思議なくらいだ。まぁ、親父の特訓は辛かった記憶しかない。」
「でも、あいつは親バカだったからその後沢山甘やかそうとしてたけどな。お前には悪いが、幹部たちの中ではお前の幹部入りがほぼ決まってたこともあって止めていた。今となっては、物凄く後悔している。何せ、普通の幸せを奪った事に変わりは無いからな。だから、俺達は守らなきゃいけないと思ってた。それすらも、お前を苦しめてたがな。」
クウザは、吐き出すように言う。
「リべちゃんが、道化師として活躍してた時のノワールの口癖は後悔の言葉ばかりだったわぁん。」
アルドが、苦笑して悲しい表情をする。
「僕は、ノワールに君の敵であり続けるように命じられてた。けど、止めたよ。リベルテ、君には足りないものが余りにも多すぎる。取り戻そうにも、取り戻せないくらいだ。君も、気付いて居るんだろ?君は、本当の意味で人を信じられない。その時には、優しい感情でもどこか冷たい君がいる。」
カリオスは、静かに言ってリベルテ見る。ロイは、驚きリベルテを見る。皆も、リベルテを心配そうに気づかうように見つめる。
「何だ、気付いてたのか。まぁ、否定はしない。」
リベルテは、カリオス達が薄々気付いているのを冷たい目線から半ば本能的に気付いていた。なので、表情を変える事なく笑う。もう、この時点で異常なのである。普通、ここは笑う所ではない。
「リベルテを、俺らが壊してしまった。子供であった、リベルテにあんなきつくて辛い訓練をさせるんじゃなかったんだ。後悔しかないや。」
リベルテは、苦笑を浮かべるしかない。
「んぅ……、どうかしたのか?」
カルマが、寝ぼけた顔でリベルテを見る。
「いや、何でもない。それより、大丈夫か?」
「何とか、うぷっ……。」
「おわっ!?水持ってくる。」
リベルテは、立ち上がり部屋から出ていく。それを見て、クウザ達の目に希望が宿る。
「なるほどな……。カルマと、会話している時のリベルテに冷たさがなかった。つまり、リベルテはカルマには本当の意味で心を許してる。」
ロイは、思い出したかのように言う。
「あっ、だからか。リベルテは、暴走しそうになる事が有るんだけどカルマが止めるとすぐに正気にもどるんだよね。僕は、少し時間がかかるけど。」
リベルテは、会話が聞こえているが気にしてない。
「こんな、悲しい話をするために来たのか?」
「でも、リベルテはもっと甘えるべきだと思う!」
「じゃあ、真面目な話。俺は、甘え方を知らない。だから、甘えろと言われてもどうして良いかわからないんだ。どうしても、冷静な俺がいて甘える事を恐れてしまう。どうしても、引いてしまうんだ。さてさて、いったい俺はどうすれば良い?」
静まり返る。リベルテは、それを見て暢気に言う。
「答えは、無いだろ?」
「リベルテ、それは違うと思うぞ。知らないなら、これから知れば良い。甘える事を、恐れるのは拒絶されるのが怖いからだ。でもさ、胸を貸してくれる大人がたくさん居るんだから素直になってみれば?お前は、出会った時もそうだったけど本心を隠しすぎだ。子供らしく、素直になれば良いのにってずっと思ってた。たぶん、いきなり大人の道をたたきこまれたから心が不安定なんだと思うよ。」
カルマが、酔いの覚めた目で優しく笑う。
「………。」
「まぁ、今すぐとは言わねぇよ。ゆっくり、しっかり学べば良いさ。俺なんか、リーダーと言うなの親を持ててあの頃はいろいろやらかしたんだぜ。」
思い出したかのように、笑うカルマ。
「俺に、出来るだろうか?」
「出来る出来る!だって、俺らはまだ学生で年齢的には成人だけど身分的には子供なんだぜ!」
「どっ、努力はする。」
少し、恥ずかしそうに顔を背けるリベルテ。
「さて、リベルテ。」
「ん?ひゃあっ……!」
カルマが、リベルテの脇をガシッとくすぐる。顔を背けた、リベルテには隙が多すぎたのだ。
「へぇー、リベルテって脇が弱いんだぁ。」
ロイは、いたずらな笑みを浮かべる。
大人達は、子供の戯れを優しーく見守る。
リベルテは、顔を赤くして二人から何とか逃げようとしている。その姿が、幼く可愛らしく見えたのは後日談である。そしてリベルテは、仕返しにカルマに度数の高いお酒を飲ませた事が判明したのも後日談である。
読んでくださり、ありがとうございました。
さてさて、リベルテさんが大変なことに。そして、珍しくカルマさんががちぎれ!
次回は、リベルテさん出番少ないかも。




