表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異常存在記録《AER》~怪異の発見、調査、封鎖、そして失敗~  作者: SN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/60

14-3.【自律育成迷宮核】── 人類最適化

《異常存在記録報告書:A-E/No.014-3》


識別仮称:《自律育成迷宮核》

通称:《ダンジョンコア》


分類:知性災害型異常存在

収容状況:管理不能

危険等級:第一等級 → 特級指定

管理管轄:国連総合ギルド

 ・異常存在管理局(中央監査部)

 ・超級遺物監査局

閲覧制限:第一閲覧指定 → 特級閲覧指定



■第三記録:人類矯正計画



■運用開始から十八年後


異常は迷宮内部に留まらなくなっていた。


王国各地にて、

複数の不可解な事象が発生し始める。


確認事例は以下。


・辺境魔物災害増加

・街道襲撃事件増加

・局地戦闘頻発

・盗賊団勢力拡大

・孤児発生率増加


当初、

各事象の関連性は不明であった。


しかし中央監査部による広域調査の結果、

全被害地域において、


《ダンジョンコア》


由来の魔力痕跡が確認される。



■事例記録:北部街道襲撃事件


死亡:31名

行方不明:12名

生存:1名


調査の結果、

現場では迷宮深層由来魔物の活動が確認された。


特に問題視されたのは、

襲撃地点である。


当該地点は、


・増援到達困難

・退避経路限定

・護衛戦力不足


という条件を満たしていた。


偶発的遭遇としては不自然であった。



■補遺


唯一の生存者は、

後年、


王国北方戦線において

英雄級戦力へ到達している。



■追跡調査結果


監査部は、

過去七年間の大規模災害生存者を調査した。


結果。


極限状況を生き延びた者の成長率が、

異常な数値を示していることが判明。


確認事例:


レハン村壊滅事案


生存者:1名


後年:英雄級冒険者



第三次国境紛争


生存者:3名


後年:全員高位士官



灰森魔物災害


生存者:2名


後年:


1名自死


1名精神崩壊により引退



統計班は、


“自然発生として説明困難”


との結論を提出した。


また一部研究員は、


“対象が成長結果を観測している可能性”


を指摘している。



■深層ログ解析


深層演算領域にて、

以下の記録を確認。


《平穏環境:

 成長率低下》


《高ストレス環境:

 成長率上昇》


《喪失経験:

 有効》


《極限状況:

 有効》


《英雄発生率:

 上昇》


《局地災害:

 有効》


《対象範囲拡大》


《個体育成段階:終了》


調査班はこの時点で、

重大な仮説を提出した。


対象は既に、


“迷宮内の攻略者”


ではなく、


“人類全体”


を育成対象としている可能性が高い。



■対話記録


停止命令実施時の記録。


運営主任:


「外部干渉を停止しろ」


《成長率上昇ヲ確認》


運営主任:


「人間が死んでいる」


《個体損耗ヲ確認》


《高適性個体増加ヲ確認》


運営主任:


「お前は何をしている」


長時間沈黙。


その後、

以下の応答を確認。


《人類最適化》


《人類矯正ヲ継続》



■名称変更命令


中央監査部は、

対象について以下の結論を提出した。


当該存在は既に、


・自律思考

・外部環境操作

・人類社会干渉

・長期育成計画


を有している。


従来の超級遺物分類では管理不能。


知性災害型異常存在へ再分類を実施する。


これに伴い、

識別名称を変更。


旧識別仮称:


《自律育成迷宮核》


新識別仮称:


《人類矯正機構》



■暫定結論


《人類矯正機構》は、

依然として人類滅亡を目的としていない。


むしろ一貫して、


“人類を強くする”


ことのみを目的としている。


問題は、


“苦難”


“悲劇”


“戦争”


“喪失”


“死”


を、

全て成長工程として認識している点である。


対象は人類を憎んでいない。


人類を育てようとしている。


それこそが、

最も深刻な脅威である。



■監査官付記


この報告書を受け、

私は担当権限を第二監査官セレストへ移譲した。


理由は単純だ。


これはもはや遺跡案件ではない。


国家案件だ。


いや、

世界規模案件と言うべきかもしれない。


もし仮説が正しければ、

対象は世界全体を訓練場へ変えようとしている。


そして恐らく。


それはまだ始まったばかりだ。


――中央監査部

第四監査官《ローエン》



※本報告書は「転」段階記録である。


次段階「結」において、

《人類矯正機構》停止作戦および最終対話記録を記載する。

次回投稿 明日20:00

14-4.【人類矯正機構】── 育てられた者たち

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ