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異常存在記録《AER》~怪異の発見、調査、封鎖、そして失敗~  作者: SN


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13-4.【不滅の失伝者】── 技の墓場

《異常存在記録報告書:A-E/No.013-4》


識別仮称:《不滅の失伝者》

探索者通称:《封技騎士》


分類:文明摩耗型異常

収容状況:管理討伐指定

危険等級:特級指定

管轄:国連総合ギルド

 異常存在管理局(中央監査部)

閲覧制限:第一閲覧指定



■最終記録:技の墓場



■管理討伐指定


無許可接触増加、

技能継承断絶、

教育機関被害を受け、


中央監査部は

《不滅の失伝者》を正式に


“管理討伐対象異常存在”


へ指定した。


これは完全封鎖でも、

通常討伐でもない。


討伐行為そのものを

監督管理する特殊運用区分である。



■完全封鎖失敗


当初、

中央監査部は接触全面禁止を検討。


しかし実施は断念された。


理由は単純である。


対象を倒せば、

“失われた技能を回収できる可能性”

が存在するためである。



■封鎖期間中記録


封鎖指定後六ヶ月。


確認された違反接触件数。


百三十二件。


確認された違反者。


・探索者

・研究者

・流派関係者

・教育機関所属者


拘束後の聞き取り内容は、

ほぼ共通していた。


「確かめたかった」


「もう一度夢が見たかった」


「一度だけなら問題ないと思った」



■運用規定


現在、

中央監査部は以下規定を施行。


・無許可接触禁止

・低位探索者接触禁止

・教育機関所属者接触禁止

・一子相伝継承者接触禁止

・古代技能保持者接触禁止

・討伐時の監査官立会義務化



■保護指定技能


以下技能体系を

文明維持指定技能として保護。


・継承断絶危険奥義

・単独継承秘術

・古代文明術式

・国家級封印術

・高位治癒体系


保持者には

接触制限措置が適用される。



■回収事例


管理討伐移行後。

以下技能の再発見を確認。


・古代王国式治癒術

・旧聖王庁封印術

・滅亡流派剣技


特に《七光結界術》再発現は、

中央監査部内部へ大きな衝撃を与えた。


当該術式は、

数百年前に失われたとされる

国家級結界術である。



■内部対立


現在、

中央監査部内部では

運用方針を巡る意見対立が発生している。



■封鎖派


主張:


「文明摩耗速度が大きすぎる」


「接触回数そのものを減らすべき」


「再発見利益は損失に見合わない」



■管理討伐派


主張:


「完全封鎖は不可能」


「ならば監督下で循環速度を制御すべき」


「損失を抑えつつ技術回収を行う」


現在の主流派。



■技術回収派


主張:


「対象内部には、

 既に人類が失った技術群が蓄積されている」


「文明停滞打破には回収が必要」


「封技は代償に過ぎない」


現在、

最も危険視されている思想。



■出現地点再解析


確認済み出現地点を再調査。


その結果、

共通点を確認した。


・流派断絶地

・英雄戦死地

・古戦場跡

・大規模討伐跡地


当初、

これらは高戦闘密度地域と判断されていた。


しかし後続調査により、

全地点において


“重大技能喪失”


あるいは


“継承断絶”


が発生していた事実を確認。


さらに近年。


《不滅の失伝者》による封技被害発生区域でも、

再出現事例を確認している。



■監査局仮説


対象は技能を集めているだけではない。


失われた技術そのものへ

引き寄せられている可能性がある。


人類史における、


・失われた奥義

・断絶した流派

・継承されなかった知識

・忘れ去られた技術


その痕跡を辿るように

出現している可能性が高い。



■最終定義


中央監査部は現在、

《不滅の失伝者》を以下のように定義する。


「失われた技術を循環させることで、

 新たな喪失を生み続ける文明摩耗型異常存在」



■監査官付記


発掘とは本来、

失われたものを取り戻す行為だ。


だから我々は、

遺跡を掘り、

古文書を解読し、

忘れられた技術を探す。


だが封技騎士は違う。


あれは失われたものを返しているのではない。


新しい喪失を生みながら、

古い喪失を返している。


それは発掘ではない。


交換だ。


そして交換相手が何を得ているのか、

我々はまだ知らない。


――中央監査部

第四監査官《ローエン》



※現在確認済み討伐回数:百十二回

※確認済み再出現地域:八区域

※完全消滅確認例なし

※現在も接触希望者は増加傾向にある


次回投稿 本日21:00

14-1.【自立育成迷宮核】── 人を育てる迷宮

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