11-3.【髑髏狩り】── 封印は成功していた
《異常存在記録報告書:A-E/No.011-3》
識別仮称:《髑髏狩り》
通称:“首狩りの鎌”
分類:武装媒介型異常
収容状況:収容済み
危険等級:第二等級 → 第一等級
管轄:国連総合ギルド
異常存在管理局(中央監査部)
閲覧制限:第二閲覧指定 → 第一閲覧指定
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■第三記録:蓄積する呪い
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■長期封印経過
大神殿地下封印区画への移送後。
対象武装は長期間に渡り封印状態を維持した。
当初十年間、
・新規転化事案
・封印破損
・接触事故
はいずれも確認されていない。
また、
・結界強度
・呪詛漏出
・封印杭状態
についても異常は認められなかった。
中央監査部および教会は、
“封印運用は成功している”
と判断していた。
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■異常兆候
しかし封印開始から十一年後。
封印維持設備に異常が発生。
・結界負荷増大
・聖印・封印杭の劣化速度増加
が継続的に確認された。
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■封印調査結果
研究部門による解析の結果。
結界や聖印、封印杭に問題は確認されなかった。
異常が発生しているのは、
封印側ではない。
対象側であった。
研究部門は、
“対象が何らかの形で呪詛が増大している可能性”
を指摘した。
しかし原因は不明。
調査は継続された。
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■封印維持限界
封印開始より十三年後。
結界および聖印の交換頻度は急激に増加。
封印維持は可能であったが、
“長期継続は困難”
との判断が下された。
大神殿は、
高位浄化儀式による対象武装の呪詛除去を決定。
儀式責任者として、
大神殿教皇が選出された。
教皇は当時、
聖国最高峰の聖職者であり、
極めて高い呪詛耐性を有していた。
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■教皇対話記録
「封印は成功していた」
「だが解決はしていない」
「対象は蓄積している」
「今ならまだ間に合う」
これが教皇による最後の記録となった。
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■異常発生
浄化儀式進行中、
封印区画内部にて大規模異常が発生。
監視記録は黒色霧に覆われ消失。
複数結界が同時崩壊。
封印区画は完全沈黙状態となった。
救援部隊到着時、
教皇の姿は確認されなかった。
また、
対象武装も封印区画内部から消失していた。
その後。
聖都内部にて、
新たな《髑髏狩り》個体の出現が確認された。
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■教皇個体
外見は従来個体と概ね一致。
しかし。
黒色ローブではなく、
漆黒の法衣を着用。
胸部には教皇所有物と一致する聖印装飾が確認された。
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戦闘記録上、
従来個体には見られなかった術式行使が確認された。
詳細は不明。
しかし目撃証言から、
生前の教皇に由来する能力である可能性が高い。
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■異常汚染
教皇個体出現後、
聖都全域において異常現象が発生。
確認症状は、
・首を切断される悪夢
・原因不明の幻聴
・自傷衝動
特に、
「首を差し出さなければならない」
との証言が多数確認された。
重症者の一部は、
対象を発見した際、
自ら頭を垂れた状態で接近。
抵抗行動を示さず、
その多くが対象の手による頸部切断により死亡している。
研究部門は、
教皇個体出現と異常汚染発生との間に強い関連性が存在すると考えている。
ただし、
・教皇という高位聖職者を素体とした影響
・対象武装そのものの変化
のいずれが原因であるかは不明。
調査継続中。
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■危険性再評価
教皇個体出現後、
異常汚染範囲は過去最大を記録。
中央監査部は、
対象危険等級を第一等級へ引き上げた。
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■緊急対応
聖都戦力による討伐は困難。
中央監査部は、
特級対応案件への移行を決定した。
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■監査官付記
教皇は最善を尽くした。
封印も成功していた。
それでも足りなかった。
我々は封じ込めていたつもりだった。
実際には、
時間を稼いでいただけだったのかもしれない。
――中央監査部
第七監査官《ラルク》
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※本報告は第三記録(転)である。
次段階では、
対象の本質および現在の運用体制について記載する。
次回投稿 本日22:00
11-4.【髑髏狩り】── 首を求める鎌




