11-4.【髑髏狩り】── 首を求める鎌
《異常存在記録報告書:A-E/No.011-4》
識別仮称:《髑髏狩り》
通称:“首狩りの鎌”
分類:武装媒介型異常
収容状況:管理運用指定
危険等級:第一等級
管轄:国連総合ギルド
異常存在管理局(中央監査部)
閲覧制限:第一閲覧指定
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■第四記録:首を求める鎌
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■教皇個体討伐
特級対応案件移行後。
中央監査部は、
武具型異常遺物《犠牲の剣》の使用を承認。
討伐隊は対象との交戦を実施。
聖都北区画は戦闘により壊滅。
四十分後、
教皇個体の完全消失を確認。
一方、
《犠牲の剣》使用者は死亡。
遺物は回収された。
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なお、
戦闘記録上、
教皇個体は従来個体を大幅に上回る能力を発揮した。
・高位強化術
・高位結界術
の使用が確認されている。
一方で、
教皇本人が最も得意としていた聖光術は確認されなかった。
相性が悪く使えなかったと研究部門は推測している。
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■残留物確認
討伐後、
現場には大型大鎌のみが残された。
これは、
・狒々の森事案
・転化再現実験
・教皇個体討伐
全てに共通していた。
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■長期研究結果
中央監査部および教会研究部門は、
対象を再調査。
特に呪詛反応に関して追加の調査・実験を実施した。
その結果、
対象に関する重要な事実が判明した。
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■呪詛蓄積性
対象武装は活動停止状態においても、
内部呪詛反応が継続的に増大する。
増加速度は極めて緩慢。
しかし完全停止状態は確認されなかった。
研究部門は、
「対象は存在するだけで呪詛を蓄積している」
と結論付けた。
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■首狩りによる増幅
さらに。
転化個体が首部切断を行った場合、
内部呪詛反応は大幅に増加することが判明。
確認記録上、
狩った首の数が多い個体ほど、
・呪詛濃度
・異常汚染範囲
が増加する傾向を示した。
研究部門は、
“対象が首部切断行為そのものによって
呪詛を獲得している可能性が高い”
と判断している。
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■教皇事案考察
教皇事案以前、
対象は長期間封印状態にあった。
しかし封印中も呪詛蓄積は継続。
結果として、
結界維持能力を上回る呪詛が蓄積した可能性が高い。
教皇事案は、
封印失敗ではなく、
“蓄積量が封印限界を超過した事例”
として再評価された。
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■転化による呪詛消費
転化後に回収された大鎌を調査した結果、
内包呪詛の減少が確認された。
ただし、
対象が討伐されるまでに一定数の首を狩っていた場合、
大鎌の内包呪詛は高くなる。
これは、
転化により消費された呪詛よりも
首狩りにより増えた呪詛のほうが高かったためと考えられる。
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■転化実験
教皇個体の能力が高かったことから、
素体によって差があるのではと推測。
魔物や囚人を用いた転化実験を実施した。
素体、
そして呪詛濃度によって
転化後の能力に差があることが判明した。
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■転化個体差
素体ごとの比較記録から、
・高位冒険者
・高位魔術師
などを素体とした場合、
極めて強力な個体が出現する一方。
・ゴブリン
・一般人(死刑囚)
を素体とした場合、
能力は著しく低下することが確認された。
また、
転化前の大鎌の内包呪詛によっても変わり、
呪詛濃度が高いほど転化後の周囲への異常性が高くなる。
・首を狩られる悪夢
・幻聴や幻覚
一方で、
呪詛濃度が低いと異常性も弱い。
神官など呪詛耐性のある者には、
影響が皆無となる。
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■現在の運用体制
長期封印のみでは再発危険あり。
転化対象撃破で呪詛濃度低下。
以上を受け、
中央監査部は管理運用方針を変更。
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■運用内容
定期的に低脅威個体を転化。
対象個体を監視下で討伐。
内部呪詛を消費させる。
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現在は、
・ゴブリン
・コボルト
・罪人
などを利用した限定運用が行われている。
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確認記録上。
弱い素体から生成された個体は、
・身体能力が低い
・汚染範囲が小さく、強度も弱い
・討伐難度が低い
傾向を示している。
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■最終結論
《髑髏狩り》は、
首なし怪物ではない。
大鎌でもない。
首を狩ることで呪いを増やし、
新たな怪物を生み出し続ける異常循環そのものである。
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■監査官付記
封印して終わる相手ではなかった。
破壊して終わる相手でもなかった。
だから我々は、
定期的に怪物を作り、
定期的に怪物を殺している。
それが最も被害が少ない。
だが。
本当に正しい方法なのかは、
今でも分からない。
――中央監査部
第七監査官《ラルク》
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※本報告をもって《髑髏狩り》第一次調査記録を終了する。
次回投稿 本日23:00
12-1.【黄金箱】── 幸運を運ぶミミック




