表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アマルテアから来た山田花子です!  作者: 間波 結衣実


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/82

最終話―02

 ……ん?


 新手のナンパか、あるいはキャッチか。


 そう思って声のした方を振り向いた俺は、完全に思考がフリーズした。


 そこにいたのは、ぱっつんの前髪を七三に分けた女子。『見たことがある』なんてレベルじゃない。


「"良いこと"に、入りませんか?」


 彼女は、あの頃と変わらない悪戯っぽい笑みを浮かべていた。


 坂本が「え、何? 知り合い?」と呟いたのが、遥か遠くで聞こえる。


 返事をする余裕なんてあるわけがない。


 だって、そうだろ!?


 漫画じゃないんだから、こんな居酒屋で再会するなんて――それこそあり得なくないか!?


 いや、そもそも彼女の存在自体が、漫画みたいなものだったけれど。


「伊藤さん? 返事がありませんけど……耳が外れてしまったんですか?」


「その発想、相変わらずホラーだから!」


「うふふ。伊藤さんは本当に変わりませんね」


 クスクスと嬉しそうに笑う彼女。


「……山田こそ」


 本当に、何も変わっていない。


 半円を描いたはっきりとした目元。少し幼さの残る丸い輪郭。前髪の分け方も、身長も、声も、眩しい笑顔も。


 全部、あの頃のままだ。


 本当に、山田が目の前にいる。


「……俺、お邪魔な感じ?」


 我に返ると、坂本が完全に置いてけぼりの寂しい目つきで俺たちを見ていた。


「あ、いえ! すみません、お邪魔をしてしまいまして。私は山田花子と申します。伊藤さんには、以前色々と……本当にお世話になった者です」


 山田は丁寧にペコリと頭を下げた。


「へぇー? 伊藤にお世話ねぇ……?」


 完全に酔っ払った坂本の目が、いやらしく、そしてニヤニヤと細められた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ