6話―08
◇
「普通にいたし……」
感動の再会って感じでは全くなく、北村の車から降りてすぐに山田を見つけてしまった……。
なんての? もっとこう……一生懸命捜した感があった方が感動的だったんじゃないかな?
「あれ?伊藤さんではないですか?」
山田もあっさりと俺を見つけるし……。
「よう」
「どうされましたか? 私何か忘れ物でもしましたか?」
反応薄くない?
母さんが言ってたのは本当なのかな? 不安になってきた……。
「いや、違うけど……」
……今更だけど、山田に何て言えば良いんだろう……。
「……花」
「はい?」
「花、ありがとな。バイト代で買ったんだろ?」
「はい……お礼を、と思いまして」
あっ、山田がちっちゃくなった。
首なんか窄めてさ。
なんか可愛いな。
「山田……」
『小松空港行き~』
「あっ!すみません、私、乗ります!」
今来たバスの運転手に山田がそう叫んだ。
……タイミングが悪い。
はぁ、全く……。
「伊藤さんっ」
山田の荷物を持って、バスの方へと歩き出した俺を山田は小走りで追いかけて来る。
「山田さ、前に“私にできる事ならなんでもしますから、何かあったら言って下さい”みたいな事言ってたよな?」
「え? あっ、はい。確かにそんな感じの事を言いました」
山田は隣に並んで俺を見上げた。
バスの運転手に山田の荷物を渡すと運転手は「どうも~」っとのんびりと答えてくれた。
「じゃあ、一つ言わせてもらうわ」
「はい! 何でしょうか?」
彼女はピシって姿勢を正した。




