6話―07
「花を男性に渡すのって特別な意味があるらしいよ?」
え? マジで?
「どんな?」
俺は極力克己に感情を読み取られない様、気を引き締めた。
「超サンキューとかじゃない?」
……。
流石にそれはないんじゃないかな?
「山田さん風に言うなら、本当にありがとうございましたってところだろうね」
有り得そうだな、おい!
言い方が違うだけなのに、しっくりきたぞ。
いや、そもそも“超サンキュー”だなんて誰が言ってもしっくりこないよな。言葉として中途半端すぎる。
「あら、明おかえりなさい」
あっ母さん。
「あら、そのお花」
「あぁ、これ?」
母さんはしゃがんで、花を突っついた。
「花子ちゃんがバイト代で買ったお花にそっくりね~」
え? この花、バイト代で買ったんだ……。律義な奴……。
「好きな人に渡すって言ってたけど、誰に渡したのかしらね~」
母さんはうふふと笑って台所へと消えて行った。
……今、重大な事が告げられた気がするのは俺だけかな?
「固まってるけど、大丈夫?」
「あぁ、克己。大丈夫に決まってるじゃないか」
「その割には無表情だよ。嬉しくないの? 山田さんに好かれて」
あっ、やっぱり母さんはそんな風な事言ったんだよな。
「……ちょっと、行ってくるわ!」
「いてら~」
いきなり茶の間を飛び出した俺に吃驚した母さんが「何事?」と聞いて来たけどそれどころじゃないんだよ! 一大事件なんだって!
「もしもし、北村? 街の方まで乗せてってくれない?」
ポケットからスマホを取り出し、家が遠くない北村に車をお願いをした。
好きになっちゃった伊藤さんと離れがたい山田は前に"調査対象に不向き"と、彼を表現したのですが、伝わりましたか?わかりにくくてすみませんm(__)m




