53/82
4話―07
「山田は何が良い?」
「あ、ではココアを」
「ほな、まっとんまっし」
あ、ばあちゃんが台所に行っちゃう!
「ばあちゃん!俺、コーヒーだから」
「おぉん」
よし、オッケー。
「……伊藤さん」
「ん?」
「伊藤さんは訛ってませんね。不思議です」
「そうかぁ?」
「少なくとも、学校で習った日本語に近いです」
え?近いだけ?
「入れたし取りに来まっし」
台所からばあちゃんの声がした。
「俺、ちょっと取ってくるわ」
「いえ、居候の私が取りに行きます!」
「いいよいいよ、座ってな。ついでだから」
「では……お言葉に甘えて」
山田を炬燵に残し、台所へ入る。
ばあちゃんの前にはカップが4つ並んでいた。
「もらってくね。ありがと」
「砂糖も何も入れとらんけど、ほんで良いがんやろ?」
「うん、俺ブラック派だし」
ばあちゃんは、克己にコーヒー牛乳を持って行くと言って台所を出て行った。
俺は山田のココアの入ったカップと、マイカップを持って茶の間に戻った。
「どうぞ」
「ありがとうございま」
「作ったのは、ばあちゃんだけどね」
……ふぅ。暖かい物が身に染みる。
「熱くないですか?」
「いや?」




