4話―03
◇
大学の講義を終え、玄関の戸を開ける。
「ただい――」
「お帰りなさい、伊藤さん!」
び、びっくりしたぁ。
家が存在している事に安堵して油断した。
「伊藤さん、最近流行りの髪型などを聞けて今日も楽しかったです」
驚きを隠せない俺に気づいてない様子の彼女は、目をキラキラさせている。
「伊藤さんは店長の美咲さんをご存知ですか? 美咲さんはとっても明るくて綺麗で、どんなお客様に対しても話を合わせられる素敵な方です」
矢継ぎ早に話して……余程、楽しかったのだろう。
「『明日も来てね』と言われたのですが……また行ってもよろしいでしょうか?」
山田はちょっと上目遣いに俺を見ている。
不覚にも可愛いと思ってしまう自分がいる。
くそう、なんで宇宙人だと広言してる奴の見た目がこんな可愛いんだよ。
「行っても良いよ。ってか、いちいち俺に許可とか取らなくていいから。山田が好きにすればいいよ」
「……あ、そう、ですよね。すみません、でしゃばりました」
山田がシュンと耳を寝かせるように(※宇宙人だけど)うつむき、トボトボと台所へ。
言い方悪かったとか……?
山田の淋しそうな顔を見たら、ちょっと罪悪感が……。
「あのさぁ」
「なんですか?」
山田のしょんぼり耳はまだ寝ているようだ。
恨めしそうな目で見られている。
「あの、その……明後日の日曜日なんだけど。俺、暇だし。その、なんだ。市内案内とか、してやってもいいかなぁ、なんて思ったり、思わなかったり……」
恥ずかしくて途中から山田の顔、見れてない。
「……」
何か、言ってよ!
「や、用事があるとかなら……」
「伊藤さん」
「はい?」
「ありがとうございます! 嬉しいです」
「そう……」
「ふふふふふ〜ん♪」
……滅茶苦茶、良い笑顔だった。
山田ってさ、たまに物凄く可愛く笑うんだよね。
あ〜あ、嫌になる。異星人見て可愛いとか。
でも実際、可愛いんだよなぁ。
まいったな、こりゃ。




