3話―12
「花子ちゃんが風邪ひいたらどうするの?!」
俺が悪いのか?!
『皆さんに迷惑かけないよう、泊まる所が見つかったと嘘をつき、かえって迷惑をおかけしてしまい、すみませんでした』
そう言った山田の言葉を母さんは聞いてなかったのか?
悪いのは嘘を吐いた山田だよ。
「まぁまぁ、母さん、落ち着いて」
「どうしてあなたは落ち着いてるのよ!」
わ~お、父さん、とばっちり。
「まぁまぁ、落ち着かんかいね」
「……はい」
ばあちゃんが言ったら言う事聞いた!
どうなんだよ、それ。
ずぶ濡れの山田を連れて帰ったたら、母さんは驚きまわるし、父さんは目刺を口から落すわとなんだか忙しい反応が俺を待ち構えていた。
そして誰一人雨に濡れた俺を心配する人はいなかった……。
はぁ、可哀想な俺。
そして元凶である山田は風呂に入っている。
俺も早く湯船に浸かりたい……。
「兎に角、二人共無事に帰ってきたんだから良いじゃないか」
父さん…!
って、いかん、いかん。
なんだか山田が伊藤家に浸透してきてるぞ。
二度目ましてなのに、この馴染みぶりは恐ろしい。
そう言う俺だって山田に会ってまだ二日目だから、人の事言えないけどね!
「お風呂ありがとうございました」
母さんのパジャマを着た山田が照れくさそうに顔を出した。
「花子ちゃん」
両手を広げてウエルカムな母さん。
阿呆の極みである。




