3話―10
「……だそ。明、飯だぞ」
「ん~?」
あれ?
周りを見るともう夕食の準備が出来ていた。
どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。
「ん~~!」
腰、痛。
あ~何か、首も痛いし、最悪。
「そんな所で寝るからだよ」
起こしてくれた父さんは、ははっと笑った。
「まだそんな所でボサッとしてるの? 顔でも洗って来なさいよ」
台所から出てきた母さんに急かされ、洗面台へと立った。
まだ、頭はぼ~っとするし、何か肩も痛い…。ん~……超ねみぃ……。
ゴンッ
「って~!」
いって、いって、いってぇ!
俺、今何処に頭ぶつけた?!
信じらんないくらい痛いんだけど!
あ~、ヤベ。涙出てきた。
周りを見てもどれがこの痛みの犯人なのかわからないので、取り敢えず顔を洗って口を濯いだ。
それにしても可哀想な、俺。
全身痛い上に頭まで痛いとか……最悪だよ。しかも、雨の音まで外から聞こえてくるしさ~テンションだだ下がりだよ。
まいった。まいった。
洗面所を出て居間に入った所で、焼き魚を手にした母さんと目が合った。
「花子ちゃん今日はいないんだってね?」
「うん」
「そっか~。明日もし良かったら、母さんの働いてる美容院のお手伝いしてもらおうと思ってたのに」
え? そんな事考えてたの?!
おいおいおい。それはどうなんだよ。
「それは残念だったねぇ」
父さんは母さんを慰めているようだった。
「ほんとに残念だわ……まだ可愛いお洋服買ってあげてなかったのに……」
いや、そんな事は確実にせんで良いから。
どうせなら俺に服買って。
「ホームステイ先が見つかったんだから、何よりじゃない?」
弟が煮物に一味唐辛子を振りかけながら、そう言った。
見つけたのは寝床であって、ホームステイ先が見つかった訳ではないんだけどね。
「そうね~」
母さんはそう言って渋々台所に戻って行った。
……ってか、山田はもしかしなくても外にいるよね?
雨降ってるんですけど……。
「俺ちょっと出かけて来るわ」
本当に迷惑な奴!
「え?ちょっと……」
母さん達の声が聞こえてきたけど、そんなのは無視して俺は雨の中外へと飛び出した。




