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3話―09
「兄ちゃん知らないの?山田さんが何処の人か」
知らないと言うか……信じられないと言うか……。
克己に何て言おう……。
「……言いたくないなら、それでも良いけど」
克己は横を向いて漫画に視線を落とした。
う~ん……どうしたものか。
克己に成り行きを話すべきか否か。
きっと克己なら俺の話しを馬鹿にはしないと思うけど、俺が信じきっていないのにそれを説明するのはちょっとなぁ。
でも、この感じは拗ねてるよな~。
「克己」
「ん?」
漫画から顔すら上げないのか。
「今日、部活は?」
結局違う話題へと変える俺。
なんだかなぁ。
「今日からテスト期間」
「あ~そっか。……で、勉強は?」
「見ての通り」
克己は漫画を読んでいる。
「してない、と」
「いや、日本語の勉強中だから」
「そう」
「うん」
「……」
「……」
……会話終了!
あ~もう、なんだろ?かっちゃん微妙に怒ってるし。山田のせいだぞ~!
全く、本当に迷惑しかかけないんだから。
『伊藤さん!』
不意に、笑顔で俺の名を呼ぶ山田の声が脳裏を過った。
いたたまれない気分になり、俺は半ば無理矢理目を瞑って深くソファに腰掛け、この身を預けたのだった。




