3話―05
「あ~……うん、まぁそうかな?」
「わぁ! 褒められました~」
とっても曖昧な返事をしたのに、物凄く喜んでる……。なんだか罪悪感が……。
「きゃん!」
嬉し過ぎたのかスキップし始めた山田が小石に躓き、バス停の時刻表に思いっきし、おでこをぶつけた。
「大丈夫か?」
「いたたた……鼻じゃなくて良かったです」
いや、そうかも知れんが、そんな問題か?
可愛いってちょっと思ったけど、やっぱり山田は山田だな。
あと目立つのうますぎるだろ。
「山田さぁ、もうちょっと、こっち来な。危ないから」
「伊藤さん、意外とタラシなんですね」
「どこが?!」
何、真面目な顔で言ってんの?!
しかも周りの人達が"タラシ"って言葉に反応してざわついてるし!
いや、違うんです……。
こいつの発言がオカシイだけなんです……。
「あ! 伊藤さん、次はあのバスに乗るので合っていますか?」
「あぁ」
「当たりました~!」
ルンルンの山田に引き換え、居た堪れない俺。
相対するテンションの俺らは一緒にバスに乗った。
彼女はなんの迷いもなく俺の隣に座る。
「伊藤さん、ありがとうございます!」
え? 何が? すみませんなら分かるけど。
「正直、迷惑ばかりおかけしているので、嫌われてるのではないかと思ってました」
……意外。そんな殊勝な気持ち持ってたんだ。
「ですが、さっき褒めて頂き、嫌われていない事が分かり、とても嬉しいです」
そう言う事か。




