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2話―10
「へ〜」
父さんは箸を止めて彼女に視線を向けた。
「他にも、女性の頭を鷲掴みにするのも好まれません」
……何で俺を見て言うの?
「ほうやろうねぇ」
ばあちゃんが相槌を打った。
「その女性の夢を壊す行為だと言われています」
だからなんで俺を見て言うんだよ。
しかも若干、睨んでないか?
「そうなのね。でも、鷲掴みだなんて滅多にない事だし、日本でも良くはないわね」
「そうなんですか?今日鷲掴みされました」
……あっ!
そう言えば掴んだわ!
『お嫁に行けなくなったらどうしてくれるんですか!』
つい二時間前の出来事が脳裏をよぎった。
「酷い人がいたものね」
……母さん、貴女の息子がその酷い人だよ。
「全くです」
山田怒ってんなぁ。
彼女はご飯をかきこんでいる。
「そう言えば山田ちゃん、どの辺で泊まっているの?送ってあげるよ」
父さんはニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべている。
ま、実際お人よしなんだけど。




