2話―07
コンコンッ
ナイスタイミング!
めっちゃ引いてる山田を目の前に、どうしたら良いのか困ってたんだよね。
「失礼しま〜す」
げっ、母さん!
ナイスじゃなかった!
普段から友達が来てる時は入ってきて欲しくないって言ってんのに、来やがった!
「お邪魔してます」
山田は意外に礼儀正しいのね。
ソファーから立ち上がりお辞儀をしている。
「まあ、座って座って。うちの子がお世話になってます〜」
いやいや母さん、今日初めて会ったから。
お茶をテーブルに置いている母に内心突っ込んだ。
「いえいえ」
山田は手を横に振った。
正しい反応だな。
「こちらこそこれからお世話になります」
山田だぁあああ!
「こちらこそ、これからも宜しくお願いしますって言いたかったんだよな?」
俺は山田の口を塞ぎ、無理矢理頭を頷かせた。
「彼女、こう見えても外国生まれだから」
嘘ではない。本当でもないけど。
「そうなのぉ」
ふ〜、母さんが騙しやすい人で良かった。
「お名前は何て言うの?」
「山田 花子です」
「……」
あっ、母さんが返答に困ってる。
「ちょっと、明。外国生まれって貴方、言ったけど、物凄く日本人らしいお名前よ?」
母さんは小声で耳打ちした。
日本人らしいってか、何かの記入例に出てきそうな名前だよね。
「そんな事もあるんじゃない?」
ザ、テキトー。
「……そうね、そんなこともあるわよね」
どうやら納得したらしい。すごいな、母よ。




