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1話 ー18
「車庫と前庭があるおうちって普通なんですか?」
目を丸くして振り向いた。
「横庭と畑もある」
「それって普通なんですか??」
丸い目を更に彼女は丸くした。
どんだけ目でかくなんだよ。
「俺はここで生まれ育った。自分が生まれ育った環境を異常だと思う人はいないだろ?だから、この家は俺にとって普通だよ」
「むぅ。正論に聞こえます」
彼女の目は通常サイズへと戻った。
「はは。それより、山田」
「はい」
「俺に聞きたい事ってまだあるのか?」
帰る様子が伺えないんだが。
「えっ、それは……」
そう、帰れって意味。
「それは、私に伊藤さんに興味を抱けと言う意味ですか……?」
「はぁ?!」
お前の目的どうなった?!
「そうじゃなくて、用がないなら帰れと言ってるんだ」
「あっ、あぁ!私ったらてっきり……」
てっきり何だ。
「すみません。それではここで失礼します」
「あぁ」
案外、あっさりしてんな。
頭を下げてから山田は笑顔で手を振り、歩き出した。
……一体、何だったのやら。




