17/82
1話 ー17
「やだなぁちょっとした言葉のあやですよぉ」
それ、違くない?
「で、伊藤さん」
彼女の瞳はまっすぐ俺を見ている。
「ん?」
無視したら無視したで面倒なので返事をする事にした。
「ここは個人の車庫ですよね?ここに自転車を停めるって事は、あれが夷藤さんのおうちですか?」
彼女は車庫から家を指す。
「うん」
そ、正真正銘、俺の家。
黒い波瓦屋根の二階建て。何処にでもある日本ぽい家。
「意外です。伊藤さんはマンションに住んでいるのかと思ってました」
どんなイメージどよ、それ。
「大きいおうちですね」
彼女はキョロキョロと周りを見渡している。
「そう?普通だよ」
車庫を出て玄関へと向かう。




