第48話 残された者たち
ゴリオンズとの同盟。
それは両州キャッツにとって、大きな一歩だった。
別れ際。
ゴリオが大きく笑う。
「しかし面白ぇ連中だったなぁ!」
「また酒でも飲みてぇくらいだ!」
「猿って酒飲むんかい!」
アキュラがすかさず突っ込む。
周囲が笑いに包まれる。
アクセルが肩をすくめた。
「飲むぞ。」
「ただ、酔った親分は止められねぇ。」
「それ言うな!」
ゴリオが照れ笑いする。
ゾロも豪快に笑った。
「俺と気が合いそうじゃねぇか!」
タカウジは呆れ顔。
「気が合う相手を増やすな。」
ポンズも苦笑いする。
「この二人、似た者同士ですね。」
笑いが絶えない。
そんな中。
ゴリオがふと思い出したように言った。
「そうだ。」
「一つ提案がある。」
「ん?」
「連絡係ってわけじゃねぇが、お互い派遣員を置かねぇか?」
ゾロが腕を組む。
「なるほど。」
「何かあった時すぐ伝えられるな。」
「うちからはダフとマット。」
二匹の猿が前へ出る。
どちらも体は細い。
しかし目つきは鋭く、足腰はしなやかだった。
「ゴリオンズ一の斥候だ。」
「足の速さなら誰にも負けねぇ。」
ダフとマットが頭を下げる。
「よろしく。」
ゾロも振り返る。
「んじゃ、うちは……。」
少し考え。
「ゲン太。」
「レオ。」
二匹を見る。
「頼めるか?」
ゲン太がニヤリと笑う。
「おうよ。」
レオも力強く頷く。
「はい!」
ゾロが笑う。
「大親分と期待のホープ。」
「置いてくぜ。」
「期待のホープ……。」
レオは少し照れくさそうに笑った。
ポンズが肩を叩く。
「期待されてるんだな。」
「マジうれしい!」
ゴリオが満足そうに頷いた。
「これで安心だ。」
アクセルとスラッシュも笑う。
「また会おう。」
「次はハグサ山にも遊びに行く。」
「歓迎するぜ!」
ゾロが大きく手を振った。
そして。
ゲン太とレオを残し。
ダフとマットを連れ。
ゾロ。
タカウジ。
ポンズ。
アキュラ。
四匹は帰路についた。
一方、その頃――ハグサ山。
遠征部隊が旅立った夜。
静かな山に異変が起きていた。
女子供たちは眠りにつき。
見張りが巡回する。
その時だった。
ユキが突然立ち止まる。
「……。」
「どうした?」
ナナが聞く。
ユキは目を閉じたまま呟く。
「……来てる。」
ミツが振り向く。
「何がだ?」
「分からない。」
「でも……。」
「カラスじゃない。」
「何か別のもの。」
空気が変わる。
カンも表情を引き締める。
「総員。」
「警戒態勢。」
すぐに各部隊へ指示が飛ぶ。
ミツはハリーたちを連れて巡回へ向かう。
カンは中央付近を固め始めた。
森は異様な静けさに包まれている。
すると。
「ミツさん!」
見回りに出ていた若い猫が転がるように戻ってきた。
体中が傷だらけだった。
「大丈夫か!」
ハリーが支える。
苦しそうに息をしながら答える。
「イ……イタチ……。」
「五匹くらいで襲ってきました……。」
「イタチだと!?」
ミツが驚く。
「この辺の連中じゃねぇ。」
「俺たちに喧嘩売るってことはな……。」
その時だった。
「ミツさん!」
ハチ公が全速力で駆けてくる。
「別の方向からも!」
「五匹くらい確認しました!」
「何!?」
ミツの顔色が変わる。
「侵入されてる……。」
カンも駆け寄る。
「他にもいる可能性がある。」
「女子供は!?」
「ギンジたちが守ってるはずだ!」
ミツが歯を食いしばる。
「クソッ!」
「どこの連中だ!」
その瞬間。
ハリーのニャオスが鋭く反応した。
頭の中に浮かぶ。
泣き叫ぶ子猫たち。
迫る黒い影。
ハリーは目を見開いた。
「……!」
「子供たちが危ない!」




