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まさか!うちのニャンコが?!―伝説を継ぐ者たち―  作者: トネガワ ワタル


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第33話 誇りの獣たち

 風。


 張り詰めた空気。


 現れた。


 ゾロ。


 タカウジ。


 そして――チュウジ。


 その瞬間。


 ハゲタカは悟る。


(……違う)


 今までの猫とは。


 格が。


 違う。


 だが同時に。


 胸の奥。


 熱が灯る。


(面白ぇ……!)


 強敵。


 久しく感じていなかった感覚。


 ハゲタカの口元が歪む。



「うちの可愛い娘」


 ゾロ。


「イジメないでくれるぅ?」


 軽い口調。


「ボク怒っちゃいますよぉ」


 ふざけているようで。


 目だけが。


 笑っていない。


 怒り。


 底知れない。


 次の瞬間。


 消えた。


「!?」


 誰も見えなかった。


 気づけば。


 ゾロは。


 ナナの横にいた。


「……っ」


 ナナ。


 息が荒い。


 視線が合う。


 ゾロを見る。


 その瞬間。


 青白い光が消える。


 力が抜ける。


「ナナ!!」


 倒れる。


 周囲がざわめく。


「大丈夫だ」


 ゾロ。


「俺が来たんだから」


 その一言だけで。


 空気が落ち着く。



 そして。


 前へ出る。


 ハゲタカと対峙。


 だが。


「ゾロ」


 タカウジ。


「ここは俺に任せろ」


「ナナを連れてけ」


 一歩前へ。


 巨大なノルウェージャン。


「おう!」


 ゾロが笑う。


「頼んだぜタカちゃ~ん!」


 そしてナナを抱える。



「袋叩きは性に合わねぇ」


 タカウジ。


「俺とサシで勝負しろ」


 一瞬。


 ハゲタカが笑う。


「……ほう」


「ついさっき」


「同じセリフを言った気がするな」


 チャチャとの会話を思い出す。


「敵ながら」


「同じ考えを持つようだな」


 羽を広げる。


「真っ向勝負――」


「受けて立つぜ」


 

 一方。


 ナナはチュウジの元へ。


「元々強いニャオスを持つ者はな」


 チュウジが静かに語る。


「怒りで一気に力を放出してしまう」


「その結果――」


「戦闘中に倒れる」


「これが最も危険なのじゃ」


 ハリー。


 シロ。


 皆が真剣に聞く。


「今のナナには」


「まだ制御ができておらん」



「俺もそうだったからなぁ」


 ゾロが笑う。


 だが。


 その目は優しい。


「その可愛い寝顔」


「俺が守ってやるぜ」


 ナナを見つめる。


「まずは――」


「タカちゃんに」


「奴を倒してもらおうか」


 

 一方。


 対峙。


 タカウジ。


 ハゲタカ。


 静寂。


 先に口を開いたのはタカウジ。


「……お前みたいなタイプが」


「なんで黒牙みてぇなのについてる?」


 ハゲタカ。


「フッ……」


 小さく笑う。


「生きるため――」


「のつもりだったがな」


 一瞬。


 遠くを見る目。


 だが。


「いや」


「そんな話はどうでもいい」


 空気が変わる。


「行くぞ!!」


 急襲。


 速い。


 鋭い。


 だが――


 タカウジ。


 避ける。


 同時。


 右前足。


 爪ごと叩き込む。


 ドゴッ!!


「ぐっ!」


 ハゲタカ。


 だが。


 その瞬間。


 ガシッ!!


 タカウジの前足を。


 ハゲタカの脚爪が掴む。


「!」


 そのまま飛翔。


 だが。


「……重ぇな」


 上がらない。


 タカウジ。


 巨大な体。


 圧倒的重量。


「なら――!」


 タカウジが反転。


 強引に距離を切る。


 着地。


 血。


 互いに流れている。


 静かに向き合う。


 そして。


 二匹同時に。


 ニヤリと笑った。


「やっと」


 ハゲタカ。


「楽しくなってきたぞ」


 タカウジも笑う。


「これから――」


「もっと楽しくなるぞ」


 風が吹く。


 誇りを持つ獣同士。


 本物の戦いが。


 始まる。

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