第32話 怒りの青白き光
山道。
風が荒れる。
「行くぞレオ!!」
ゲン太が飛び出す。
「おう!!」
レオも続く。
二匹同時。
左右から。
だが――
当たらない。
ハゲタカ。
空へ。
木へ。
岩へ。
速い。
「チッ!」
ゲン太の爪が空を切る。
「遅ぇな」
背後。
ドガッ!!
「ぐぁっ!!」
レオが吹き飛ぶ。
直後。
ゲン太へ急降下。
ガッ!!
「ぐっ……!!」
首元を裂かれる。
「どうした?」
ハゲタカ。
「その程度か?」
圧倒。
一方。
他のカラスたちも動く。
「うおっ!?」
アキュラが吹き飛ばされる。
「こいつら……!」
ハリーが目を見開く。
「今までの奴らと違う!」
強い。
数ではない。
一羽一羽が戦える。
ニャオス持ちですら。
「当たらない……!」
ミツ。
「くそっ!!」
カン。
連携しても。
崩せない。
だが。
「……見えた」
シロ。
一瞬。
踏み込む。
ズバッ!!
一羽。
沈む。
「おお……」
ハリーが息を呑む。
さらに。
ポンズ。
「そこだ」
空中。
飛び込む。
ガッ!!
二羽目。
「なるほどな」
ポンズが低く言う。
「強ぇが――」
「無敵じゃねぇ」
流れが変わり始める。
その頃。
「ぐぁっ!!」
ゲン太。
「レオ!!」
ハゲタカの蹴撃。
二匹まとめて吹き飛ばされる。
「終わりか?」
立ち上がれない。
そこへ。
「まだだ!!」
ギンジ。
そして。
ハリー。
「オレも行く!!」
「ビビってんじゃねぇぞ!!」
ギンジが叫ぶ。
「はい!!」
飛び込む。
ハリーのニャオス。
届きそうで――
届かない。
「……ほう」
ハゲタカ。
一瞬だけ。
目が変わる。
(こいつ……)
(まだ未熟だが――)
(危険だな)
一方。
カラス側は崩れ始める。
ナナ。
ポンズ。
シロ。
三方向からの攻撃。
精鋭カラスたちが押される。
さらに。
「どりゃあああ!!」
アキュラ。
盛大に転ぶ。
「うわぁぁっ!?」
だが。
その勢いでカラスに頭突き。
「ギャッ!?」
「……なんで当たるんだよお前」
ポンズが呆れる。
「奇跡属性ですか?」
シロまで言う。
残り――一羽。
「……チッ」
ハゲタカ。
状況を見る。
(想定以上だ)
(こいつら――)
(強い)
空気が変わる。
「なら」
ハゲタカ。
「俺も本気でいくぞ」
消える。
「!!」
ゲン太。
間に合わない。
急降下。
狙いは――首。
「ゲン太ァ!!」
アキュラが必死に走る。
その瞬間。
「うおっ!?」
また転ぶ。
ドン!!
ハゲタカの軌道がズレる。
「なにぃ!?」
致命傷。
回避。
「お前ほんとなんなんだよ!!」
ポンズ絶叫。
だが。
シロの顔色が変わる。
「……ナナ」
目。
青白い。
「またか……!」
ゲン太がやられた。
怒り。
スイッチ。
――消える。
「!?」
ハゲタカ。
ナナが目前。
ガッ!!
「ぐっ……!」
初めて。
ハゲタカが押される。
さらに。
連撃。
速い。
異常。
だが――
ハゲタカは見切る。
紙一重。
「危ねぇな……!」
かわす。
かわす。
かわし続ける。
「ナナ!!」
シロが叫ぶ。
「まずいですね……」
「ニャオスが弱まってます」
ポンズも気づく。
「限界だ」
「倒れる前に止めねぇと」
一方。
ハゲタカ。
(もうすぐ切れる?)
(なら――)
(今だ)
翼を広げる。
トドメ。
その瞬間。
「ちょぉ~~っと待ったぁ~~!!」
場が止まる。
全員が振り向く。
そこにいた。
巨大な影。
ゾロ。
その横。
タカウジ。
そして――
チュウジ。
風向きが。
変わった。




