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まさか!うちのニャンコが?!―伝説を継ぐ者たち―  作者: トネガワ ワタル


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第27話 帰る場所

夜。


 ハグサ山。


 静まり返る空気。


 中心にいるのは――ゾロ。


 その前に並ぶ四匹。


 ハリー。


 アキュラ。


 ナナ。


 ユキ。


 チュウジが一歩前へ出る。


「……これより、大事な話をする」


「全員、よう聞け」


 ざわめきが消える。


「3兄弟」


「それと、ユキ」


「前へ」


 すでに前にいる四匹。


 視線が集中する。


 ゾロは。


 ただ、見ている。


 じっと。


 懐かしむように。


「……なんだよ」


 アキュラが小声で言う。


「めっちゃ見てくるじゃん」


「静かにして」


 ナナが言う。


 だが、その声はわずかに震えている。


 ゾロが、ぽつり。


「……いやぁ」


「でかくなったなぁ」


「は?」


 ハリーが眉をひそめる。


「その顔」


「その目」


「その雰囲気」


「間違いねぇわ」


 一歩、前へ。


「お前ら――」


 一瞬の間。


「俺の子だ」


 ――止まる。


「は?」


 アキュラ。


「……え?」


 ナナ。


「ちょっと待て」


 ハリー。


 ざわめきが爆発する。


「マジかよ!!」


「いきなり何言ってんだ!!」


「いや事実だし」


 ゾロ、あっさり。


「チュウジ様……」


 ミツが見る。


「……うむ」


 静かに頷く。


 確定。


 ナナとユキが固まる。


「……ほんとに?」


 ナナ。


「ほんとだよ」


「証拠は?」


「そのニャオス」


「あと顔」


「あと雰囲気」


「雑すぎる」


 少しだけ笑いが漏れる。


 ゾロが腕を広げる。


「ほら来いよ」


「久々の親子再会だぞ?」


 軽い。


 だがどこか優しい。


 ナナ、動けない。


 ユキも、足が出ない。


「……無理」


 ナナ。


「えぇ!?」


 ゾロ、ショック。


「いや急すぎるでしょ!!」


「父ちゃん悲しいんだけど!?」


「知らないし!!」


 ユキも小さく首を振る。


「……まだ」


「距離感が……」


「えぇぇ……」


 ゾロ、完全にへこむ。


 その時。


「パパーーー!!!」


 ドンッ!!


「ぐはっ!?」


 アキュラ、全力で突っ込む。


 そのまま抱きつく。


「会いたかったぜーー!!」


「ちょ、待て八!!」


「勢い!!」


「勢いが強ぇ!!」


「八って言うな!!」


 ぐりぐり。


 すりすり。


「いやお前順応早すぎだろ!!」


 ハリーが突っ込む。


「だって親父なんだろ!?」


「じゃあ甘えとかなきゃ損じゃん!」


「損得で動くな!!」


 周囲、吹き出す。


 ゾロも。


 耐えきれず笑う。


「ははっ……なんだよお前」


「一番それっぽいじゃねぇか」


「だろ?」


 ドヤ顔。


 その光景。


 ナナが見ている。


 ユキも見ている。


 自然な距離。


 自然な関係。


 胸の奥が、ざわつく。


 ゾロがふと視線を向ける。


「……お前らもいいんだぞ?」


「別に順番とかねぇから」


 ナナ、視線を逸らす。


「……だから急だって言ってるでしょ」


 ユキも小さくうなずく。


 ゾロ、苦笑。


「まぁいいや」


「ゆっくりでいい」


 ぽん、と。


 アキュラの頭を軽く叩く。


「その代わり」


「ちゃんと見てる」


「全部な」


 その言葉。


 ハリーが前に出る。


「……一つ言っとく」


「なんだ?」


「親なら」


「最後まで見ろよ」


「途中でいなくなるな」


 一瞬。


 空気が張る。


 ゾロは笑う。


「当たり前だろ」


「逃げねぇよ、俺は」


 その言葉。


 ナナの中で、何かがほどける。


 一歩。


 ゆっくりと。


 ゾロの近くへ。


「……少しだけ」


「お、来た」


「調子乗らないで」


 でも。


 離れない。


 ユキも。


 少しだけ距離を詰める。


 ゾロは何も言わない。


 ただ――


 静かに受け入れる。


 チュウジが語る。


「血はな」


「力を与える」


「じゃが――」


「それ以上に」


「居場所を与えるものじゃ」


 夜風が吹く。


 少しずつ。


 確かに。


 家族になっていく音がした。

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