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まさか!うちのニャンコが?!―伝説を継ぐ者たち―  作者: トネガワ ワタル


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第26話 遠征の報告

 夜。


 ハグサ山。


 静まり返った山の中――



 ぽつり、ぽつりと。


 猫たちが集まってくる。


 中心にいるのは――ゾロ。


 その隣にタカウジ、ポンズ。


 そして。


 チュウジがゆっくりと前へ出る。


「……全員、揃ったな」


 低い声。


 場が締まる。




「まずは――遠征の報告じゃ」


「ゾロ殿」


「おう任せろ」


 軽い調子。


 だが――


 全員の視線が集まる。




「今回の遠征な」


「北のゲッコウ区」


「“ゲッコウ猿軍団”に会いに行ってきた」



 ざわつき。



「猿……?」


「協力要請だ」


 シンプルに言う。


「カラス相手に、共闘できねぇかってな」


「で?」


 アキュラが食いつく。


「どうだったんだよ!」


「まぁ聞けって」



 ゾロ、にやっと笑う。



「まず道中な」


「野良犬どもに囲まれた」


「は?」


 ハリーが眉をひそめる。


「“東州ドッグス”ってやつら」


「やたらガラ悪くてよー」


「おいおい大丈夫だったのかよ!」


 アキュラ。


「いやまぁ」


「ちょっと揉めたけどな?」


「ちょっとじゃねぇだろ絶対」


 ミツがぼそっと突っ込む。



「で、そのままボスんとこ連れてかれてよ」


「秋田犬の“キン”」


 少し空気が変わる。


「……強いのか?」


 レオ。


「強ぇな」


 即答。


「でも話は通じるやつだった」


「俺とタカウジのこと知っててよ」


「歓迎されたわ」


「へぇ~!」


 アキュラが目を輝かせる。


「すげぇじゃん!」


「だろ?」


 ドヤ顔。



「で、そいつらに道案内してもらって」


「ゲッコウに到着、と」



「順調じゃねぇか」


 ギンジ。


「まぁな……そこまでは」


 ゾロ、遠い目。



「門番の猿と対面した瞬間」


「犬猿の仲、発動」


「……ああ」


 シロが納得する。


「子分同士が大揉め」


「だろうな」


 ギンジも苦笑。


「そこで俺が」


「まぁまぁ落ち着けって感じでな」


「仲裁した」


「……お前が?」


 ギンジ、疑いの目。


「おいその顔なんだよ」


「想像できねぇだけだ」




「まぁなんとかボスに会えた」


「団長サブロー」


「で?」


 ナナが静かに聞く。


「結論から言うと――」


「今は無理」


 空気が重くなる。



「熊が暴れてるらしくてな」


「そっちの対応で手一杯」


「……そうか」


 チュウジが頷く。



「ただし」


 ゾロが指を立てる。


「代わりに紹介はもらった」


「隣山の猿軍団」


「“ゴリオンズ”」


「後日、会いに行く予定だ」


「へぇ~」


「仲間増えるかもじゃん!」


 アキュラが明るく言う。


「うまくいけばな」


 ゾロは軽く肩をすくめる。




「まぁそんな感じだ」


「犬にも会って、猿とも揉めて」


「普通に大変だったわ」


「全然普通じゃねぇよ」


 ハリーが呆れる。



「でもよ」


 アキュラが笑う。


「ゾロさんいるならなんとかなりそうじゃん」


 一瞬。


 空気が止まる。


 皆がゾロを見る。


「……なんとかするさ」


 軽く言う。


 だが――


 その奥にある“何か”を


 何匹かは感じ取る。


 ナナ。


 ユキ。


 シロ。




 チュウジが一歩前へ出る。


「話は分かった」


「状況は厳しい」


「じゃが――」


「動かねば始まらん」


 静かに言う。



 そして。



 一瞬の間。


 空気が張り詰める。


「……3兄弟」


 呼ばれる。


 ハリー、アキュラ、ナナ。


 自然と前へ出る。


 さらに。


 チュウジの視線が動く。



「それと――」


 少しだけ間を置く。


「ユキ」


 四匹が。


 ゾロの前に並ぶ。


 ゾロは。


 何も言わない。


 ただ――


 じっと見る。


 夜風が吹く。


 静かに。


 だが確実に。


 何かが――


 動き出そうとしていた。

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