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まさか!うちのニャンコが?!―伝説を継ぐ者たち―  作者: トネガワ ワタル


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第21話 罠と牙

 昼。


 ハグサ山の一角。


 観光客が来れない場所。


 猫山とは別の顔。



 訓練の輪。


 だが。


 そこに――


 いない者たちがいる。


 チャチャと、その取り巻き。



「……あいつらは?」


 ハリーが周りを見る。


「来てないね」


 レオが答える。


「訓練の時間だぞ?」


「来る気がないんだろ」


 短い返答。



「……ほっとけ」


 ギンジが言う。


「来ねぇやつはそれまでだ」


 冷たいようで現実的。




 一方。


 山の裏手。


 チャチャたち。


「くだらねぇ」


 吐き捨てる。


「修行だのなんだの」


「猫がそんなもんやってどうすんだよ」



「俺たちは野良だぞ?」


「生きるために戦ってきた」


「それでいいだろ」


 周囲が頷く。



「なのに」


「人間守るために戦う?」


「意味分かんねぇ」


 その言葉。


 誰も否定しない。



「……出るか?」


 一匹が言う。


「ここ」


 空気が止まる。



 チャチャは黙る。


 考える。


 離れるか。


 残るか。



「……今じゃねぇ」


 低く言う。


「まだ様子見る」


 完全な反乱ではない。


 だが――


 線は引かれた。



 同じ頃。


 ナナたち。


 訓練。


 集中。


 確実に強くなっている。


 だが。


 チャチャ達はそれを知らない。




 日が落ちはじめる。


 山の外れ。


 静けさ。


 そして。


 “仕掛け”。



 地面。


 枯れ葉。


 土。


 自然に見える不自然。


 中央。


 甘い匂い。


 ちゅーる。



 木の上。


 モンジ。


 ウニ。


「……来るかなぁ」


「来るって言ってるだろ!!」


 小声で強がる。


 だが震えている。



 草が揺れる。


 メス猫。


 そして、その子供。


 慎重。


 だが。


 空腹。



 匂い。


 止まる。


 見る。


 ちゅーる。


「……少しだけ」


 一歩。



 ペロッ


「今だ!!」


 ロープが引かれる。


 バサッ!!


「にゃっ!?」


 捕獲。



「ママ!!」


「やめて!!」


 もがく。


 だが逃げられない。



「や、やった……!」


「すごいですモンジ様!!」


「当然だ!!」


 急に調子に乗る。



「行くぞ!!」


 ロープを咥える。


 持ち上げる。


 空へ。


「助けて!!」


 声が夜に消える。



 その頃。


 ニャオスの回復。


 静かに眠るナナたち。


 誰も知らない。


 すぐ近くで。


 仲間たちが奪われていることを。



 風が吹く。


 静かに。


 だが確実に。

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