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まさか!うちのニャンコが?!―伝説を継ぐ者たち―  作者: トネガワ ワタル


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第19話 歪んだ翼

 羽音が荒い。


 乱れている。


 一直線に、拠点へ。


「はぁ……はぁ……!」


 モンジとウニ。


 降り立つ。


 その瞬間。


 空気が変わる。




 無数の目。


 カラスたち。


 そして。


 高所。


 コールディー。


 見下ろしている。




「……報告は?」


 低い声。


 モンジが固まる。


「え、えっと……」


「敵は……その……」


 言葉が詰まる。




「部下達がやられまして……」


 ウニが小さく言う。


 静寂。


 一瞬。


 次の瞬間。


「は?」




「やられた?」


「六羽で行かせたんだぞ?」


「“猫ごとき”に?」


 圧。


 空気が歪む。


「言い訳を聞こうか」




「ち、違うんです!!」


 モンジが叫ぶ。


「猫ども……変な力を使ってて!!」


「空中から叩き落とされて……!」


「普通じゃないんです!!」


 必死。




「だから?」


 コールディーの目が細くなる。


「負けた理由にはならないな」


 冷たい。


 完全な切り捨て。




 コールディーが一歩前へ。


 モンジが後ずさる。


「価値のない失敗だ」


「お前の代わりはいくらでもいる」


 殺気。




「……やめとけ」


 低い声。


 ハゲタカ。


 ゆっくりと降り立つ。




「ハゲタカ」


 コールディーが睨む。


「甘いな」


「失敗は排除するべきだ」




「違ぇな」


 ハゲタカが言う。


「失敗は“使う”もんだ」


「次に活かすためにな」


 鋭い目。


「無駄に殺すのは三流だ」




 沈黙。


 空気が張り詰める。


 周囲のカラスが動けない。




「……好きにしろ」


 コールディーが視線を外す。


「だが」


「次はない」


 モンジが崩れ落ちる。


「は、はいぃ……!」




「で?」


 コールディーが続ける。


「“変な力”とは何だ?」




「えっと……」


「見えないはずの動きを読んだり……」


「急に速くなったり……」


「石を動かしたり……」


 言いながら自分でも混乱している。




 コールディーの目が変わる。


「……面白い」


「なるほどな」


「ただの猫じゃないか」


 口元が歪む。




「なら」


「正面からやる必要はない」


 静かに。


「捕まえればいい」


「弱いところを突けばいい」




「罠だ」


「“餌”を使え」


「猫は釣れる」


 笑う。


「バカみたいにな」




 ハゲタカが眉をひそめる。


「……やり方が汚ぇな」


「戦う気はねぇのか」




「勝てばいい」


 即答。


「それがすべてだ」


「生き残るために」


 冷酷。




「俺は違う」


 ハゲタカが言う。


「戦うなら正面からだ」


「筋は通す」


「それが俺の信念だ」




 視線がぶつかる。


 価値観。


 完全な違い。




 その時。


 奥。


 闇。


「……好きにやれ」


 黒牙の声。


 全員が沈黙する。


「結果だけを持ってこい」


 それだけ。


 絶対の命令。



「……承知」


 コールディーが笑う。


「面白くしてやる」



 ハゲタカは何も言わない。


 ただ。


 静かに空を見る。


(……嫌な流れだ)




 モンジとウニ。


「た、助かった……」


「ですねぇ……」


 震えている。


 だが。


 本当の嵐はこれから訪れる。


 いよいよ。


 開戦間近。


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