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25、メイロ星からの難民と研究室の目的

 私は、フレンドリストを開いて、サリィさんに見せた。友好値が付いているのは、サリィさんを含めて5人になっていた。サリィさんは3番目ね。


「あらら、セルシードさんと恋人になったのね。その割には有効値が低いから、マンスリーミッションのお手伝いかな?」


 そんなことがわかるの?


「はい、初日だったので、よくわからないですけど、ミッションをいくつか手伝ってくれて、宿屋に送り届けてもらいました」


 この人工星の秩序を守っているという彼らも、私の携帯機を覗き込んで、軽く頷いた。



「お嬢さん、ビンゴミッションはしてませんね? 念のために、目視で確認させてください」


「フレンドさんから、フリーミッションが進むまでは、ビンゴはしてはいけないと言われたから、やってません」


 私は、ミッションを開いた。あれ? 知らないうちに、いくつかクリアされてる。



【ミッション10】未達成

 恋人を作ろう!

(残り7日8時間38分)


【ミッション3】看板通りに行こう!

【ミッション4】宿屋にチェックインしよう!

【ミッション5】酒場に行こう!

【ミッション6】宿屋で宿泊予約をしよう! 

【ミッション7】友達と話そう!

【ミッション8】ファン会館に行こう!

【ミッション9】ゲームキャラの舞台を見よう!



 私は、デイリーミッション画面を開いていたが、その画面を見ただけで、彼らには私がビンゴミッションを始めてないことがわかるみたい。


「ちょっと、これ……」


 サリィさんは、私のデイリーミッションを見て、彼らにも、再び見るように促している。次のミッションが、恋人を作ろう、か。私の頭に浮かぶのは、セルさんの顔だった。


 どうしてだろう……。

 私、セルさんに会いたいみたい。




「サリィ様、主人公が次々と闇堕ちするのは、彼らの責任だけじゃなさそうですね。研究室にも協力者がいるみたいです」


「そうねー。デイリーミッションは、ランダムのはずだけど、誰かが操作してるわね」


 あれ? セルさんも同じようなことを言っていたっけ。でも、芝生の上で聞いた話は、しちゃダメだ。



「あの、デイリーミッションがおかしいのですか?」


「オモチさん、よく聞いてね。あっ、オモチさんは成人してるのかしら?」


「はい、アバターは若いですけど、中身は成人しています」


「そっかぁ。じゃあ、私からは話しにくいから、彼が話すよー」


 サリィさんは、彼女のことをサリィと呼び捨てにしていた男性を指差した。親しいのかな? でも、サリィさんは、イービー星のセルフィア王国という国の、王女様なんだよね?


 話を振られた彼は、一瞬困ったような表情を浮かべたが、コホンと咳払いをした。



「えー、俺は、イービー星セルフィア王国の魔導大使をしているオルフルです。約10年前から、人工星スープラは難民の受け入れをしています。俺は、その担当者であり監視者でもあります」


 難民? 話が飛んだ?


「話が飛躍してない? まさか緊張してるー?」


 サリィさんにそう言われて、オルフルさんはキッと睨んでる。あっ、私が魅了魔法を放っているから、影響を受けるのかも。


「先程の映像で出ていた人達は、7年ほど前に、メイロ星という小さな星が戦乱で崩れたときに、この人工星で受け入れた難民です。彼らは、ゲームの製作に採用されたことで、欲が出たようです。彼らに関する噂は事実でしょう」


 メイロ星って、崩れたの? 屋台で会ったサフスさんの故郷は、もう無いのかな。


「もうっ! 全然、話がわかんないよー。私に喋らせるつもりなの?」


 サリィさんがイラついてる。


「いえ。彼らは、アース星から来た人達をターゲットにしています。その理由はわかりません。いや、研究室が協力しているなら、考えられる理由はありますが」


 バコッと、サリィさんがオルフルさんの頭を殴った! オルフルさんは、結論を後回しにする性格みたい。


「ちゃんと話しなさいよー。研究室が協力してるから、オモチさんのミッションが、悪意まみれなんじゃない」


 サリィさんが強い口調でそう言うと、オルフルさんは、私の顔を真っ直ぐに見た。やっと結論を話す気になった?


「彼らの目的は、新たなゲームに採用されることです。研究室の目的は、この星に定住する人を増やし、あわよくば子供を生ませることです」


 ん? 新たなゲームと定住?



「はぁ、もう、私が話すよ。彼らは、年齢制限のあるゲームに採用されたいのよ。いったん攻略対象になると、制作から10年間は、新たな乙女ゲームの攻略対象にはなれないからね」


「それって、18禁の大人向けゲームってことですか?」


「ええ、そうよ。アース星の人が狙われているのは、もともと魔力を持たないためよ。アバターに従順だから、身体が成長するの。つまり、身体の中でも新しい命が成長するのよ」


「アバターでも、子供ができるってことですか?」


「そういうことよ。だから、アース星から女の子を集めているの。そのペースが異常なのよ。10日ごとに80人を集めてきて、そのほとんどを闇堕ちさせている。さすがに、見過ごせないわ」


「えっ? あ、いろいろな乙女ゲームがあるし、他の国からも参加者を集めてるのかな」


 そういえば、事故のニュースをよく見るようになったっけ。でも、自然災害が原因だったような……。



「この人工星は、キュンキュンする素敵な物語を生み出すために作られたのよ? それなのに、難民が変なことを始めた。許せないんだから!」


 サリィさんが、本気で怒っていることがわかる。


「お嬢さんのミッションの流れから考察すると、フレンドを誘って、ファン会館に行き、舞台を見た後に、推しの誰かに闇堕ちさせられる流れです。主人公は妊娠すると、この星に永住することが決定しますので」



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