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107/122

107、まさかの計測方法

「オモチさん、本当によかった! やっぱり私の第一予想が当たってたー。嬉しい〜」


 レストランの奥の席には、シエルさんが作った和食が並んでいた。私のお疲れ様会という形で、集まっていた人達で、遅めの夕食を食べることになった。


 ウィルは、悔しそうに苦笑いしてる。シエルさんは、ミッションのことよりも、和食の評価が気になるみたい。セルさんは、少し居心地が悪そう。


 そして、サリィさんはいつも通りのハイテンション。シャルルさんも、ビンゴクリアで笑顔だから、私の作り笑いには気づいてないみたい。


 私は、必死に笑顔を作りながら、モヤモヤを抑え込んだ。



「オモチさん、アース星に帰る手続きをしておきましょう。いつ帰るか、考えてあるかしら?」


 食事が終わると、シャルルさんが私の横に移動してきた。最後まで世話をしてくれるつもりみたい。


「えっと、あと4日ありますし、最終日にしようと思ってます」


「そう。じゃあ、その通りにメールしてくれる? 6時間前までにというのは、最後の罠なのよ。手続きが遅れて、帰れなくなった人もいるわ。最終日に帰ると知らせておけば、運営側は期限切れが使えないもの」


「わかりました。あっ、もし手続き遅れで帰れなくなったら、シャルルさんのビンゴは……」


「私の方は影響を受けないわ。もう、ロッコロッコ星に帰る手続きはしたわよ。仮予約もしてあったから、運営から承諾メールが来たわ。私の場合は、引き継ぎがあるから、帰るのは30日後なんだけどね」


 私は、シャルルさんに促されて、メールを打った。そして、シャルルさんが確認し、送信。



「じゃあ、オモチさんが帰るまでの4日間は、選ばれたセルシードさんが、彼女の護衛をすればいいわねー。二人のメモリーって、全然ないんだもの」


 サリィさんは、よくチェックしてる。


「わかりました。オモチが帰るまでは、俺も街にいるから、必要なときは護衛しますよ」


 必要なときは、って……。


「そうね。シャルルさんと挨拶まわりをするときは、セルシードさんが居なくても大丈夫ね。都合の悪いときは、シエルさんを派遣するよー」


 サリィさんは、シエルさんにも気遣ってる。もしかして、私が期限までいることで、皆さんに迷惑をかけてしまうのかな。



「日付が変わったねー。セルシードさん、オモチさんを送ってあげてねー。きゃっ」


 きゃって、何? サリィさんは、また顔が赤い。リアルな乙女ゲームを見ている気分なのかな。


「じゃあ、オモチ、送っていくよ」


「は、はい。皆さん、ありがとうございました!」


 私は、まるで子供のような挨拶しかできなかった。モヤモヤが大きくなっていて、その感情を隠すことに集中していたからかな。




 ◇◇◇




「オモチ、たいした距離じゃないから、歩くか」


 そう言ってセルさんは、腕を自分の腰に当ててる。腕を組まないかというお誘い? いや、まさかね。


「はい。あの、明日の朝は、ロッコロッコ星の料理の番だと思うんですけど、セルさんはどこかに家を借りてるんですか?」


「いや、特に借りてないよ。オモチ、一応確認するが、俺を誘ってるのか? 宿屋ノームは連れ込み禁止だぜ」


「へ? そういうお誘いじゃなくて、豪華な朝食を一緒に食べれたらなって思ったんです。私、まだロッコロッコ星の料理の食べ方のコツがつかめないから、見学したいなって」


 私が慌てて否定すると、セルさんはケラケラと笑った。


「やっぱりオモチはオモチだな。いいぜ。街を離れると、美味い朝食を食べる機会が減るからな」




 セルさんと一緒に宿屋ノームに入っていくと、彼はすぐに部屋を借りた。私とは階が違う。宿屋ノームは、こういう点を徹底してるよね。


「オモチ、明日の朝は、10時でいいか?」


「はい、じゃあ10時に食堂で。あっ、食堂は二つあるんですけど、えーっと……」


「ふっ、アース星の料理をメインに出している店だろ? もう一方では、ロッコロッコ星の料理は出さない」


「ご存知でしたか。あっ、当然ですね。この宿を教えてくれたのは、セルさんですし」


「まぁな。じゃ、明日の朝、寝坊するなよ?」


 セルさんは、手をふらっとあげると、階段を上がって行った。絶対に、寝坊はできない!




 ◇◆◇◆◇




 翌朝、かなり早くに目が覚めた。シャワーを浴びながら、今日をどう過ごそうかと考えていると、ドキドキしてくる。セルさんが護衛してくれるってことは、デートよね?


 髪を乾かし、服を出そうと携帯機を開くと、メールの返信が来ていることに気づいた。そういえば、昨夜の問い合わせの返信はまだ見てなかったな。



『オモチ様、お帰りの日を滞在期限の最終日として、予約手続きを完了しました。最終日の夜7時までに、ラグ塔の飛行船発着場にお越しください。なお、時間に遅れた場合や、それまでの期間に闇落ちされますと、お帰りいただけなくなりますので、お気をつけください』


 ラグ塔なら、転移屋で行けるよね。時間厳守なんだな。宇宙船の発着時間があるのかな。


 あれ? もう一通ある。



『オモチ様、測定アプリの計測方法をお伝えします。測定アプリを開いて、ご確認をお願いします』


 メールじゃダメなの? あー、他の人には見えない仕様は、測定アプリだけなのかも。



 私は、測定アプリを開いた。



【測定対象】

 ● セルシード:95%

 ● シエル : 20%

 ● ウィル : 65%


 *測定済み。確定値です。計測方法は、測定対象者の貴女への依存度です。今回は、貴女の計測はしておりません。貴女を必要としている度合いを測定しました。


(指標の目安)

 10〜20%: 友達

 20〜35%: 好意

 35〜50%: 恋愛対象

 50〜70%: 依存傾向が強い

 70〜90%: 完全に依存



 えっ? 95%がないよ。依存度って……彼を測ったってこと? セルさんは、私を必要としてるの?



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