#5
それから二日経つ。ゲームの制作グループは組まれ、人が多いのも相まりスムーズに進んでいた。ケーキ屋という案も水面下で進んでおり、リューフの名はそれなりに広まっていた。そんな中、リュアとミューフは高校を中退した。リュアはミューフが購入した闘技場で指導員を待っていた
ミューフ、どんな人にしたんだろう……
「!!」
感じる。何かが近づいてくる
その瞬間、目の前に青い髪の男が現れた。整った顔と高身長に、まさに理想のイケメンと言えるような若い男。片手に剣を持っており、着用している物は全身が赤き制服。これはアラタナヒの制服だった
「速すぎるな……全く反応できない」
「ありがとう。こう見えて、俺はアラタナヒの幹部でね、世界でも指折りの強さだと自負してる。そして、君も俺のように強くするよ」
あれ、アラタナヒって……
「ちょ、待て!ライバル勢力!ちょ、ミューフ?いいのか?え……?」
リュアは酷く混乱していた
「知ってるよ、リューフのこと。というか、その名義での依頼だったからね」
男は剣を構える
「大丈夫、まだライバルとは思ってないから。何れライバルになるのなら、それも歓迎だ。さあ、特訓をはじめよう!」
リュアは黒き爪を生やし、赤き翼を露わにさせ、頭に赤き角を生やす。炎を纏う、それがリュアの能力であった
「名前は?」
「俺はマリーヌ」
マリーヌは既にリュアの後ろへいた
「──!」
「瞬間移動だ。能力でなく、強者は例外なくこれを使う」
目で追えない
「人間は能力を使う為のエネルギーを蓄えている。地を思い切り蹴ると同時に、そのエネルギーを放つのがやり方だ」
リュアは足に力を入れるが、何も起こらない
「エネルギー?そんなのどうやって放つんだ?力を入れて放てるものなのか?」
「能力を使う感覚だ。例えば竜化の能力者ならば、炎を吐いたりするだろ?」
リュアは頷く
「それを足から吐くイメージだ」
「理解した!」
足から炎を吐くイメージ……炎が集まるあの感覚を足でやればいいのか。簡単な話だ!
リュアが大きく地を踏み込むと、既に空高くにいた。リュアは翼で高度を維持している
「できた……すごいな、これ!」
たった一度で成功した?
「天才だね」
どうやら、俺は天才の、未来を統べる子供の先生になってしまったみたいだ。普通は何年も練習するんだけどね……
リュアは降りてくる
「できた!これだろ!!」
「凄いね……まだ震えが止まらないよ」
これ凄いのか?
「なら、次はそれを調整する必要がある。好きな位置に、好きなように行けるよう力加減をするんだ」
リュアは既にマリーヌの首元に爪を突きつけていた。その距離は僅か。リュアの瞬間移動の精度は既に完璧だった
俺はヒカリノの成長でも見てるのか?ヒカリノ以外にこんな人間がいるなんて。竜化能力の影響もあるかな?普段から全身で能力を使っているから……にしても人間には不可能な領域だ
「なら、次は能力耐性だ。これがないと、どう頑張っても対応できないような強い能力に抗えない」
リュアは少し黙り込む。何かを隠すように
「リュア?」
リュアは一息つき、話した
「私には生まれつき能力耐性がないんだ。それでも身につけることは可能か?」
能力耐性がない?そんな人間はいない……ヒカリノを除いて──君はヒカリノか?
「そうだね……前例がないから、俺は何も言えない」
「そうか……」
「依頼は瞬間移動と能力耐性を完璧に身につけること。リュアが使えるよう最善を尽くすよ」
リュアは寂しげに微笑んだ
「ありがとう……」
その日は解散となった




