【00.06:45】
本日二話投稿(このお話は二話目)です。
また、他と比べるとかなり短いお話になります。
何かが、おかしい。
裕は一人考える。
やはり気のせいなんかではない、と皆が忘れている“一人”の存在を考え始めた。
その考える様は傍から見ても真剣そのもので、邪魔してはいけないと思わせるほど。
だから初春も珠惠も裕の視界に入らないように、静かに身を引いて寝ている二人を看ることにした。
裕は考えに没頭していた為、そんな二人の気遣いや動きに気付かない。
それほどまでに、裕はこの違和感――麗月の存在が“なかったこと”になっているこの記憶が、気持ち悪いのだ。
ない存在と認識しているけれど、確かにあったはずなのだ。
だから丁寧に記憶をたどれば、そのなかったことになっている人物を思い出せるだろう――そう、考えたのだ。
その人がいたのに”いなかった”ことにされるのは、裕の中では気持ちが悪くて仕方がない。
それが他人に興味があまりない裕ですら記憶に留まるような、そんな人物であったのならば――ますます、記憶に靄がかかってその人物が“いなかったこと”になっているこの現状が、なんとも悍ましい。
熟考した結果、自分の通う高校の生徒会長で憧れの的である麗月がいたが、姿も名前も思い出せないことに気付き――その数分後に麗月が意識を手放したことにより魔道具が停止したために麗月の存在が戻ってくるのだった。
記憶は裕だけではなく、他の三人も同じである。
呆然、後に騒然。
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