表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いらっしゃい、非日常  作者: キリアイス
15/22

【00.05:00】

このお話はいつもよりかなり短いお話となっております。

また、本日は二話更新(13時UP)となっております。

 少女は、そっと部屋の扉を閉めた。

 ちゃんと部屋の扉が閉まっていることと自分に気付いた気配がないことを確認すれば、すぐさま廊下を駆けだした。


 ――居ても立っても居られない、とはまさにこのことだ。

 きっと後で、物凄く怒られるし、今起動させているこの魔道具(・・・)を止めたら、残してきた人たちにも酷く心配されるだろう。

 いや、もしかしたらあの部屋にいる人たちは、誰一人とて心配してくれないかもしれない。

 なにせ今日あったばかりの人たちだ――身内(職場の人)があれだけ怪我をしていれば、赤の他人である己のことなど、心配する余裕がないかもしれない。

 ただ、まあ、いないことに気付けば騒ぎになるだろうというのは簡単に予想できるので、心の中で謝罪しておく。

 それが誰にも何も告げずに部屋から出て行った『自分勝手な行動』を起こしたことに対してなのか、周りの人に心配と迷惑をかけたことに対してなのか――はたまた貴重な魔道具を隠していたことに対してなのか。

 何に対しての謝罪なのか、心の中で詫びたその本人ですら分からない。

 ただ謝っておけばよいという思考の元で心の中で詫びているだけだ。


 さて、少女――麗月は、廊下を駆けだしたまではいいが、どこに階段があるかを知らない。

 探索を麗月自らは行なっていないし、凜に建物の構造をすべて教えてもらったわけではない。ので、手当たり次第ではあるがすべての道を網羅する勢いで走り続ける。


 いつもは運よくすぐに見つかるというのに、こういう時に限って見つからない。

 無駄に広く、そして無駄に長いと感じる廊下を、ただひたすら下りの階段を探して走る。



 そしてようやく見つけた下りの階段を駆け下りれば、すぐに目に飛び込む――赤い池。


 それを見つけて麗月は鉄錆の臭いが充満していることもあり、その赤い池が血であると理解する。

 周りには氷の塊だとか、何かの肉片だってある。

 それでも麗月は、まだ魔道具が起動しているのを確認した後、蒼い顔のままその現場を検める。



 麗月が心配している人物は、ただ一人。



 本来ならば同じ学年であるはずの、青年(想い人)だ。

 彼が強いことは知っているし、即席ではあるがこの魔道具――“存在を希薄にする”ことができる魔道具を創り、お守りとして麗月へと持たせてくれた。

 これが起動している間ならば、自らが存在を主張するような行動――声を出したり接触しなければ、そこに存在しているはずなのに“存在していない”と錯覚させてくれる。

 大きすぎる物音は駄目だが、先ほど駆けてきたような足音くらいならば場所もすぐに移るためバレたりしない。

 それでも慎重に慎重を重ね、同じ場所には長くとどまるつもりはない。


 赤い池――血溜まりから伸びる、何かを引っ張った跡。

 引きずった跡にどうにかして持ち上げたのだろう。点々と赤い斑点が道標の如く廊下へ続く。


 少しそちらへ歩いて行けば、死体となっている深淵の犬だったものがある。

 戦いながら安全な部屋を探したのだろうと推測し、麗月は誰のとも分からぬ血の道標を辿った。


閲覧ありがとうございます。

複数話投稿の場合は、二時間後に投稿でいこうかなぁ、と思います。

1話のみUP→12時、2話UP→11時と13時、3話UP→10時と12時と14時、です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ