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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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呼吸②

今回は蓮視点です。

 ありがとな、山上。お前に聞いといたおかげで俺はこいつを倒せる!


 そして、俺はいつもの呼吸の2倍以上の空気を吸う。


 痛い、こんなの日常的にやるなんて確かに無理だ。やりすぎると山上の言っていた通り、ほんとうに肺が裂けそうだ。

 でも、今は......今だけは......


 次の瞬間、未知のエネルギーによって力がみなぎってくる。これが山上の言っていた『力素』というものなのか、と実感した。


 バァン!


 俺は地面を蹴る。今までに体感したことがないようなものすごいスピードが出る。


 (これなら......、いける! )


 俺は今出せる全てのエネルギーを剣に集める。


 「これで決める! 『黒剣・フルバースト』! 」

 「まずい......、仕方ない......、『抜黒扇(ばっこくせん)』! 」


 これまた強力な技だ。黒のエネルギーを放出するのではなく、直接自分の扇の力とするのか。さっきの放出技よりは強力だということで間違いない。しかし......、今の俺は......、いや、今の俺なら......、


 扇と剣が衝突する。その技は互角に見えたが、違う。


 「おりゃあああーーー!! 」


 蓮がマイの扇を飛ばす。


 「しまっ......」


 慌てて避けようとするが、もう遅かった。


 バギィィィン!


 蓮によってマイは切りつけられた。そして、トドメの一撃が入り、蓮が勝利すると思われた次の瞬間、


 バゴォーン!


 気づけば蓮は、何者かに蹴られ、ビルの壁に飛ばされていた。


 マイの方を見ると、マイの前に誰かが歩み寄っていた。


 「まさか、マイがやられるなんてね......。ほんと、ワルト様の予想通りすぎて逆に疑うよ。君を倒せるやつがこの日本にいるとはね......」


 そして、そいつは俺の方を見る。


 「やあ! 僕の名はシンジ。我が主ワルト様に仕える幹部のひとり。君すごいね! これは褒めてるんだよ。なにせ、僕が介入しなかったら君がマイを倒していたんだろうからさ! 」


 シンジは俺の方を見てそう言う。


 (クソ! あと少しで倒せたのに......。てかこいつ......ほんとうに化け物だ! 低く見積ってもマイより圧は2倍以上だ。もう終わりだな。こんなやつまで来てるなんて)


 「やらないの? なーんだ。せっかく頑張って来たぶん楽しめると思ったのにな......。やってくれないやつなら......」


 次の瞬間ものすごいスピードの光線が来る。


 (やばい! )


 俺は慌てて避ける。


 (こんな武器見たことがない。てか、攻撃手(アタッカー)が遠距離攻撃とか反則だろ! )


 そんなことを思っていても時間は待ってくれない。


 「さあ、頑張って時間をかけてここまで来た僕を楽しませてよ! 」


 蓮にとって地獄のもう1ラウンドが始まろうとしていた。

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