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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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呼吸

蓮視点で書いてます。

 ガァン! ギィン! ガァン! ギィン!


 何度も何度も剣と扇がぶつかり合う。


 脇から見れば誰もが互角と言うだろう。しかし、本人たちはわかる。いまは蓮がおしていると。


 しかし、なぜ蓮がおしているのに倒すことにもちこめないのか。それはお互いに言えることだが、決定打の不足だった。


 「ここまで私を追い詰めるとはな! なかなかやるなあ! 」

 「お前は使わねえのか? 何かを切って覚醒するやつを」

 「使うわけないだろ! 私には......、私には自分の力だけで勝たなければならないという使命が......、使命があるんだ! 」


 そして2人は自分の持っている全ての力を解放する。


 「「リミッター、完全解除(アンロック)!! 」」


 浜松での最後の戦いが始まる。





 ◇





 結論から言うと相手はかなり手加減していたようだった。そのため、さっきまではわずかに俺が圧倒していたが、完全に制限が無くなった今互角の勝負となっている。


 (どうしたものか......)


 どうしてもそう考えてしまう。蓮はリミッターによる制限がなくなり、以前より高火力で技を放つことができるようになっている。

 しかし、それはマイにとっても同じこと。マイの技の威力も上がっている。また、マイの防御力もリミッターによる制限が無くなったことで大幅に上昇している。


 (どうしたら倒せるんだ、教えてくれ......、誰か......)


 すると蓮はあることを思い出した。





 ◇






 これはいつも通り山上の訓練をしている合間の休憩中、山上に聞いた時のことだ。


 「えっ? もっと威力が高い技を打ちたい? 何ゲームみたいなこと言ってるんですか、蓮さん? ていうか威力って......」


 「なんでもいいから、教えてくれないか? 弟子に聞くのは心苦しいが、知り合いの中で技の威力が1番高いのはお前なんだよ」


 でも蓮は正直あまり期待していなかった。なぜなら渚の火力は適性によるものだと考えているからだ。


 (まあ、適性Sのおかげだよな。ほんと、適性Sってどうしたらもらえるんだよ)


 「そんなこと言いながら、正直私の技の威力は適性によるものだと思っているんでしょ? ね? 

蓮さん?」


 ギクッ......。

 なぜこいつ気づいてるんだ? いや、そんなことはどうでもいい。


 「逆に聞くが、そうじゃないのか? 」

 「そうじゃないと思って私に聞いたんじゃないんですか? もちろん、適性だけのおかげじゃありませんよ」

 「ほんとうか? おしえてくれ! 」

 「もちろん! それはずばり、呼吸です! 」


 は? 何言ってんだこいつ。鬼〇の〇じゃあるまいし。本気で言ってんのか?


 「蓮さん......、私を正気か、って目で見るのやめてくれませんか? 」

 「いや、だって、なー? 」


 ほんとに正気か疑うぞ。


 「まあ聞いてください。如月先輩によると、空気には実はエネルギーが本当に少量ですが入っているんです。だからいっぱい空気を吸っていっぱい空気を吐くと結構エネルギーを取り入れられるんです。逆に空気が少ないとエネルギーも少量取り入れられるんですが結構少ないので、気づくことができません」


 なんだそれ。そんなこと初めて聞いたぞ。


 「でもそれと威力に何か関係があるのか? 」

だってエネルギーを取り入れる話しかしてないじゃないか。


 「ここまで話して気づきませんか......。空気には勝利のエネルギーが含まれていますね? つまりエネルギーは空気の一部なんですよ。私たちがギアを起動していると空気からエネルギーをもらうんです。よって空気に含まれている成分のうちの一つが無くなるんですよ」


 なんとなくわかるような......。


 「空気全体が少ないとあまり変化はありません。でも全体が大きくなります。エネルギーがなくなり、変化した空気は私たちにとても大きな力を与えてくれます。このような空気を如月先輩は力素(りきそ)と呼んでいました。でもこの名前そのまま過ぎて他にも力素って呼ばれているのがありそうな気がします」


 「なるほど、さんきゅー山上! 」


 凛のやつめ、俺にも教えてくれれば良いのにな。


 「あ、でも蓮さん。この呼吸は肺や体へのダメージが結構大きいのでここぞという時以外は使わないでください」

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