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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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シンとカミサ

1つ目はシン視点、2つ目と3つ目はカミサ視点です。

 あの時は少し冷静じゃなかった。でも、あいつに言いたいことをはっきり言えたのは良かったかもしれない。喧嘩にわざと負けたのは少しかっこ悪いが......。


 僕は起きたあと、すぐに両親に事情を聞かれた。

 隠すことなく全て話した。でも、


 「お前が悪いな、なんで人の夢を邪魔しようとする! お前だって自分の夢を叶えない方が良いと言われたら嫌だろ! 」

 「そうよ、しっかり理由とかも含めて話さないと.......」


 (はあ、2人ともやっぱり理解できていない)


 僕は両親に言い返す。


 「僕は別にカミサに夢を叶えるな、なんて言っていないよ」

 「はあ? 」

 「えっ? 」


 2人とも驚いたのかとてもマヌケな声を出す。話聞いていたのかな?


 「僕はただカミサに気をつけろよと言いたかっただけだよ。何せ、今なら僕とカミサなら僕の方が強いしね。本当にやめさせたかったらボコボコにしていたよ」


 「それは本当なのか? 」

 「そうなの? 」


 そう、実はカミサよりもシンの方がいつの間にか強くなっていたのだ。なにせ、シンの訓練の時間はカミサの2倍いや3倍以上であったから。


 でもカミサはそれに気づいていない。それに気づくのは少しあとの話になる。





 ◇





 今日は久しぶりに訓練で試合をする日だ。今日は父と母が見に来てくれている。負けるわけにはいかないと改めて思った。


 全部で4試合するのだが、1試合目、2試合目、3試合目と私は全て圧勝した。はっきり言って余裕! まず剣術がなっていない。体の身のこなし方、体力なども少なく、負けるはずのない相手だった。


 そういう相手と戦うとカミサは自分は強くなったとまた実感する。


 第4試合はと言うと、名前はシンジという最近入ったばかりのエースだった。本当に強いらしく私と同じように入ってから負け無しらしい。


 ここで少し矯正してやろうとカミサは思った。

しかし現実はそんなに甘いものではない、カミサはそう教えられる。






 ◇






 「よう、お前がシンジだな? ここまで負け無しのようだが、私相手にはそうはいかねえよ! 」


 しかし、シンジは何も言わず、ただ美しい刀を丁寧に構えている。そして、こちらの様子を伺っていた。


 (フッ、斬りかかってこないとはな......、少し厄介かもしれねえ......)


 そう実感する。そして次の瞬間、


 

 ガギィィン! ガギィィン! ガギィィン!


 2人は同時に加速し、お互いの刀はものすごい速度、ものすごい力で衝突する。そこから放たれる衝撃波に観客は襲われた。子供を吹き飛ばしてしまいそうになるほど強い風だった。


 しかし、その程度で2人の戦いが終わるわけがなく、


 ガギィィン! ガギィィン! ガギィィン!


 何度も何度も刀がぶつかる。その度観客たちは感じた。2人に実力差はほとんどない。これは長期戦になる......、と。しかし、そう思われた戦いは思わぬ形で終わりを告げた。


 2人は止まる。シンジが初めて口を開けた。


 「さすがです。カミサさん。あなたは強いです。このままだと勝てるかは分かりません。少し本気を出しましょう」


 シンと似たような声だった。そのせいで少しぼーっとしてしまったのだろう。私は目の前の少年の本気について考えるのを忘れてしまっていた。


 「『ウェイプ』! 」


 次の瞬間ものすごい速さで光線が放たれる。


 「マジかよ! 」


 私は慌てて避ける。しかし、この攻撃は威力があるくせに、数が多かった。また、エネルギーの消費も少なそうだった。

 そしてとうとう......、


 ヴィィィン!


 鈍い変な音がする。何かと思えば私の利き腕の右腕が光線によって切られていた。


 「クソ! 」


 私は急いで物陰に隠れる。しかし、光線は私の真上で急カーブ。


 ヴィィィン!


 その光線は私の心臓を貫いた。


 私の体が光に包まれ、飛んでいく。

私は思った。


 (そういえばシンもこんな技使ってたな、もしかしてシンなのかな? )と。


 (でもシンはこんなに強くなかったし、違うか)と考えをまとめた。


 こうして、私は2回目の敗北をした。

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