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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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浜松大激突⑫

1つ目は佐伯くん、2つ目は迅さん、3つ目はマトシ視点となっています。

 せっかく、この迅って人にチャンスをもらったんだ。絶対に決めてやる!


 そして、俺は言った。


 「リミッター、完全解除(アンロック)! 」


 次の瞬間俺に残された数少ないエネルギーが溢れ出す。そして、俺は足に力をため、いつもならできないほど速く加速する。


 「小賢しい! お前がどれだけ頑張っても無駄だってまだわからねえのか! 」


 「そんなことはない! 」


 あいつが教えてくれた。目の前のワットにやられたあいつが,適性Sだとしても、使いこなせないやつは弱い。でも、本当に努力すれば、あの虎徹先輩にだって勝ててしまうってことを。


 そして、俺は自分のエネルギーをすべて使い切ってしまうつもりで攻撃を放った。


 「『リッパー・ブレイド』! 」


 俺の最高の一撃。しかし、目の前のワット、マトシは爪が少なくなった今でも1本爪を無くしながら両手で受け止めていた。


 ーまだだ!


 俺は全力で剣を押す。すると、剣を受け止めていた爪のうちの数本がピキッ、ピキッと割れそうな音を出す。


 「このぉーー! お前なんかに、負けるつもりなんてねえぞー! 」


 ワットがそんなことを言いながら折れそうな武器で俺の剣を押し返してくる。


 ーもう稼げないか、でも十分じゃないんですか?あとは頼みます。迅さん。


 俺がそう念じた瞬間迅さんはすごいスピードで動き出す。




 ◇




 (全く関心が尽きない。さっきまであんなにボッコボコにされていたのに、よくここまで踏ん張れたもんだ。でも、おかげでエネルギーは十分! あとは任せろ! )


 そして、俺は動き出す。

佐伯というやつのおかげでワットは佐伯からの攻撃を

防ぐのに集中している。今なら隙だらけだ!


 「クソッ、しまっ......」


 「さあ、おしまいだ!今までしでかしたことを反省して、安らかに眠れ! 『サークル・ストラッシュ』! 」


 エネルギーを使って一時的にスピード、力を速く、大きくし、相手を至近距離から巨大手裏剣で切る技。


 今日最大のパワーをこめて放つ。


 バシャーン!


 相手の胴体と足がくっきり離れる。

相手を倒したと分かった瞬間佐伯はパタン、と倒れる。


 (フーッ、少しギリギリだったな)


 こうして浜松駅前の戦いも終了する。






 ◇





 俺はもともとサウキス王国の王都のはずれに住んでいた。三人姉妹(さんにんきょうだい)で、普通の家に住む普通の家庭だった。あの時までは......


 その時は突然訪れた。


 サウキス王国はワット共和国に攻められたのだ。

そのとき、サウキス王国はワット共和国の不審な動きを察知して、戦力の整備をし終えていた。


 なのに、ワット共和国は我が国の何百人の兵士を一人で倒してしまうような怪物が何人もいて、どんどん兵はやられていき、結局サウキス王国は滅んだ。


 我が家も無事では済まなかった。

俺が近くの山に山菜採りに行っている時に家族は全員殺され、家は燃やされた。悔しかった。俺にもっと力があれば......、せめて、俺もみんなと一緒に死にたかった。もうこんなことがどこでも起こって欲しくない。


 そのときはそんなことを考えていた。

その後、俺も結局捕まってしまったが、俺には軍人の適性がとても高いのが分かった瞬間ワット共和国の軍人にされた。


 俺死んじまったか......。はぁ、いつの間にか俺は家族みんなのことを......。


 その時、父が、母が、姉が、妹が、川を渡った先に集まって俺に手を振っているのがわかった。


 その瞬間俺の心があの時、まだみんながいた頃に戻っていくような気がした。


 「ングッ、みんなーー! 」


 俺は泣きながら、川を渡りみんなのもとに飛び込む。


 「ごめんなさい......、俺も一緒に行ってやれなくて......」


 みんなも涙を流しているのがわかる。

よかった、もうひとりじゃないんだ。


 俺は安心して覚めない眠りについた。

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