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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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浜松大激突⑪

1つ目は透斗視点、2つ目と3つ目はワットのマイド視点です。

 俺はそのとき思った。こいつはもう許しちゃいけない、絶対に懲らしめてならなければならないと。


 「お前、これまでもたくさんの人を傷つけてきたんだろ! 俺の大切なものを傷つけたこと、後悔させてやる! 」


 「そうかもなー、傷つけちゃったかもしれねーなー、でも、後悔するのはお前だ! 俺に勝てると思うなよ! 」


 そして、2人の剣は交わる。


 ガギィィィン! ガギィィィン! ガギィィィン!


 すごい速度、すごい力の剣同士が衝突し、衝撃波が発生する。


 「こんな力を隠していたなら最初から出してくれたら楽しめたのになー。いいじゃねーか。いいじゃねーか! 」


 何度も何度も交わり、いつしか空中戦となっていた。バン! ギン! ゴン! ガギィィィン!。


 2人の動きが交わる度に剣も交わる。しかし、2人の攻撃はどちらも通らない。


 少し経つと、もはや、誰も介入出来ないレベルにまで速くなって行った。


 (マズイ、このままやってても勝てるかわからん。こいつを見くびりすぎていたな。仕方ない、それなら......)


 そして、俺は少しずつ『蒼月』にエネルギーをこめていく。

 何度も攻撃し合ってるうちに十分なエネルギーはたまった。


 (頼むぜ! 相棒! )


 俺はそう祈願し、目の前のワットに狙いを定めた。


 「『双蒼剣(そうそうけん)! 」


 エネルギーに満ちた青い二筋の鋭く蒼い光で俺は、目の前が見えなくなる。それは、無限にわく機械と戦闘していた隊員たちにとって希望の光となっていた。





 ◇




( はぁ、俺はいつから間違ったのか。

考えてみればおかしかった。なぜなら俺がまだ小さかったころ、おれは暴力をしてはいけないと思ってやまなかった。なのに、今の俺は......)



 俺は学校では優秀な方であった。勉強の授業はいたって普通の成績しかとれなかったが、戦闘の授業では、毎年学年1位となり、学校で開催される武闘大会でもよく、先輩たちを圧倒していた。


 俺がいまマイ様の部下となり働いているのも、この恵まれた強さがあったからだ。


 でも、学生の頃の俺には戦闘の能力は要らないとしか思っていなかった。なぜなら、戦闘の授業で評価されるのはどれくらい人を傷つけられるかということみたいなもんだからだ。


 あのときの俺はまだ、そんな風に考えていたのに、なんで......。


 そういえばなぜ俺は戦闘は良くないと思ったんだ?こんな理由だけではなかった気がする......。




 ◇





 そうだ、家族のおかげだ。母さんや姉さんからも少なからず影響を受けたが、1番は父さんだ。俺の父さんは議員だった。


「戦闘の技術など必要ない! 平和が1番! 」


 ただ一人、ずっとそれを訴え続けた。どんなにたくさんの人から傷つけられても何度も立ち上がり、訴え続けた。


 だから父さんは俺に、家族によく言っていた。戦闘して人を殺すことほど、損をすることはない、と。


 「人は宝。どんなにたくさんの人が生まれようと、同じ人は生まれない。だから、国、いや社会全体は全ての人を大切にしなきゃならないのだよ」


 (よくそれを聞いていたのに、なぜ俺はたくさんの人を......)


 俺の目からは涙が出てくる。


 父さんは俺が軍人になることに猛反対していた。なのに、俺は父さんの言葉を無視して、軍人になってしまった。それが父さんにとってどれだけ悲しいことだったか、想像がつかない。


 (もう死んじゃうのか。怖いな......。ごめん、父さん。俺、父さんが言ってたこと守れなかった。本当にごめんなさい)


 そして、1人の若いワット『マイド』の意識はどんどん深く沈んで行った。

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