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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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浜松大激突⑩

大地視点です。

 「『光矢(ホーリーダーツ)』! 」


 美南の全力の大量の光の矢がワットに降り注ぐ。


 バチン!バチン!バチン!バチン!


 しかし、ワットはそのうちの1本以外全てを防いだ。


 「ちっ、痛えじゃねーか。まさか、力を制限していたとは。生意気な! 」


 ワットはさらに怒り、俺の方へ向かってくる。


 (よし、きた)


 「しまっ......」


 気づいたときにはもう遅く、ワットの足元の地面は崩れ、ワットは地面の下に落ちていった。


 「くそ、どうなってやがる! 」


 怒り狂い、ものすごく大きな声で怒鳴ってくる。


 「簡単だよ、僕のギアは重力を操ることができる。そして、制限を一部解除すれば、物の重さなんかも変えられちゃうんだ。つまり地面をとてつもなく軽くすれば......、どういう意味かわかったか?  」


 「はっ、マズイ......! 」


 そして、今度はワットの足元の地面がものすごい重力を帯び、足が地面に固められる。


 「念には念を、美南! 頼む! 」

 「もちろん! 『かげぬい』! 」


 『かげぬい』は美南のギアだからできる技。相手の影を地面に縫い付けて、結果的に相手を動けなくする技だ。だから、ワット『コット』は、動けなくなった。


 「まじかよ、こんなのありかよ! 」


 さっきまでの威勢が全くなくなり、自暴自棄になっている。


 「さあ、 おわりだな! 」

 「クソッ......、こんなことして、許されると思うなよ! 俺はまだ、まだ終わっていない! 」


 そして、俺は穴の底にいるコットに向かって落ちていく。


 「『重力剣』! 」


 エネルギーを纏わせた剣が当たる瞬間にものすごい重力を纏わせ、それをぶつける!


 バゴォーン!


 そして、コットはさらに深い所へ落ちていく。

 「大地ー! 大丈夫そう? ワットはどーなった? 」

 「わからん、はッ......! 」


 (おい、嘘だろ? そりゃマジでないって......)


 「どうした? 」


 俺は美南の方に戻り、伝える。


 「ワット、死んでた......」


 体のあちこちの震えが止まらなくなる。

(あー、俺はとうとう、人殺しに......。もうおしまいだ)


 そう考えたその時、不意に抱きしめられた。俺を抱きしめたのは美南だった。


 「よーし、よーし。大丈夫。大丈夫。これはもう戦争みたいなものなんだよ。相手は死ぬ覚悟を持ってこっちに向かってきていた。だから本当はこんな簡単に済ませては行けないんだろうけど、大丈夫だよ」


 美南の言葉が俺の心を温かくしてくれているような感じがした。少し泣きそうになってしまったその時、


 「大地くん、美南ちゃん、無事? 」


 オペレーターさんの声が聞こえる。美南が答えた。


 「はい、大丈夫でーす。どうかしたのー? 」


 「うん、それがね、航空自衛隊浜松基地の西側で横浜支部の支部長と、ものすごく固い触手をたくさん生やし、使ってるワットが戦ってるの。でも、その支部長さんでも、もうあまり持ちそうにないんだって。だからそっちに行って欲しいの。黒い柱は他の隊員たちに任せてくれていいよ。あと行き方は教えるから」


 「りょーかい。じゃあ案内よろしくね、行こ! 大地! 」


 「おう! 」


 浜松侵攻作戦はまだまだ続いていく。

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