浜松大激突⑩
大地視点です。
「『光矢』! 」
美南の全力の大量の光の矢がワットに降り注ぐ。
バチン!バチン!バチン!バチン!
しかし、ワットはそのうちの1本以外全てを防いだ。
「ちっ、痛えじゃねーか。まさか、力を制限していたとは。生意気な! 」
ワットはさらに怒り、俺の方へ向かってくる。
(よし、きた)
「しまっ......」
気づいたときにはもう遅く、ワットの足元の地面は崩れ、ワットは地面の下に落ちていった。
「くそ、どうなってやがる! 」
怒り狂い、ものすごく大きな声で怒鳴ってくる。
「簡単だよ、僕のギアは重力を操ることができる。そして、制限を一部解除すれば、物の重さなんかも変えられちゃうんだ。つまり地面をとてつもなく軽くすれば......、どういう意味かわかったか? 」
「はっ、マズイ......! 」
そして、今度はワットの足元の地面がものすごい重力を帯び、足が地面に固められる。
「念には念を、美南! 頼む! 」
「もちろん! 『かげぬい』! 」
『かげぬい』は美南のギアだからできる技。相手の影を地面に縫い付けて、結果的に相手を動けなくする技だ。だから、ワット『コット』は、動けなくなった。
「まじかよ、こんなのありかよ! 」
さっきまでの威勢が全くなくなり、自暴自棄になっている。
「さあ、 おわりだな! 」
「クソッ......、こんなことして、許されると思うなよ! 俺はまだ、まだ終わっていない! 」
そして、俺は穴の底にいるコットに向かって落ちていく。
「『重力剣』! 」
エネルギーを纏わせた剣が当たる瞬間にものすごい重力を纏わせ、それをぶつける!
バゴォーン!
そして、コットはさらに深い所へ落ちていく。
「大地ー! 大丈夫そう? ワットはどーなった? 」
「わからん、はッ......! 」
(おい、嘘だろ? そりゃマジでないって......)
「どうした? 」
俺は美南の方に戻り、伝える。
「ワット、死んでた......」
体のあちこちの震えが止まらなくなる。
(あー、俺はとうとう、人殺しに......。もうおしまいだ)
そう考えたその時、不意に抱きしめられた。俺を抱きしめたのは美南だった。
「よーし、よーし。大丈夫。大丈夫。これはもう戦争みたいなものなんだよ。相手は死ぬ覚悟を持ってこっちに向かってきていた。だから本当はこんな簡単に済ませては行けないんだろうけど、大丈夫だよ」
美南の言葉が俺の心を温かくしてくれているような感じがした。少し泣きそうになってしまったその時、
「大地くん、美南ちゃん、無事? 」
オペレーターさんの声が聞こえる。美南が答えた。
「はい、大丈夫でーす。どうかしたのー? 」
「うん、それがね、航空自衛隊浜松基地の西側で横浜支部の支部長と、ものすごく固い触手をたくさん生やし、使ってるワットが戦ってるの。でも、その支部長さんでも、もうあまり持ちそうにないんだって。だからそっちに行って欲しいの。黒い柱は他の隊員たちに任せてくれていいよ。あと行き方は教えるから」
「りょーかい。じゃあ案内よろしくね、行こ! 大地! 」
「おう! 」
浜松侵攻作戦はまだまだ続いていく。
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