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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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浜松大激突⑧

前半は渚視点、後半は長田支部長視点です。

 私はいま失意のどん底にいる。


 (私が負けたせいで......、みんなが負けちゃうかもしれない......。せっかく蓮さんが、マイというワットの相手を頑張ってくれているのに、私はマイより弱いあいつに簡単に負けてしまうなんて......。もう......)


 感情の悪循環が止まらない。どうしようと思ったその時。


 「随分悔しそうですね、山上さん」


 この部屋にはまだ私しか居ないはずなのに声が聞こえる。聞こえた方を見ると、白い白衣を着た人がたくさん立っていた。


 「あなたは、ワットに負けたのが悔しい、そうですね? 」

 「......、はい」

 「ならあなたにとって良いことをお伝えしましょう」


 何を言っているのかよく分からなかった。


 「私たちは浜松支部の技術官です。私たちみんなであなたの復活に手を尽くせば、通常システム修復に5時間かかりますが、2時間に短縮できます」


 なんと画期的なものだ、と私は思った。


 「どうします? もう一度戦いたいですか? あなたが戦いたくないと言うのであればしませんが」


 「もちろん、もう一度戦いたいです。私はこの力ををみんなに役立てたいんです! 」


 「決まりですね」


 すると技術官たちはせっせと作業を始めた。


 (出来るだけ早く戻るから、それまで待っててね、みんな! )


 私はそう考えると、空を見上げた。





 ◇





 (ふむふむ、この子なかなかやる。たとえ、最近ストロントに行ってなく、腕が鈍っているとはいえ、私が出ればたいていのワットは倒せるのに......。それにしても、こんなに立て続けに意思を持つワットが現れるとは......。不思議なことが最近たくさんあるな)


 「フッ、お前、このカミサ様にてこづらせるなんて、なかなかやるじゃないか? 」


 まだ余裕があるのか、目の前のワットは話しかけてくる。


 (仕方ない、本当はおんぞんしておきたいが、このままでは時間がかかりすぎてしまう)


 私は決心すると


 「『リミッター一部解除(パートアンロック)』! 」


 すると、どんどん力がみなぎってくる。


(この力で倒す! そして、浜松駅前に一刻も早く戻らなくては! )





 ◇





 (こいつ、本当に化け物だ! 力を解放しなくても十分強いのに、さらに力をつけられてしまえば、たまったもんじゃない! )


 案の定、目の前の男の、鋭く力強い刀、力を解放したことにより跳ね上がったスピードですぐにやられてしまう。


 「君は十分強いよ。でもこんなところにずっといるわけにはいかないんだよ」


 そいつが刃を向けてくる。


 「仕方ねぇ、お前覚えとけ!奥の手があるのは......」


 そして、私は『リターン・ギア』の回路を切った。


 その瞬間、私の力がこれでもかと言うほど溢れていた。そして、体の各所から数多くの細く、そして鋭い触手が生えてきていた。


 「ーーなに......? 」


 目の前の男が初めて全く余裕のない表情を見せる。


 「こっちも同じなんだよ! さぁ、ここからが本番だ! 」


 浜松に再び悪夢が訪れる!


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