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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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浜松大激突③

今回は佐伯くん視点で書いています。

(マジかよ……。まだハイパー隊員にはなっていないとはいえ、あの山上をあんな簡単に倒すなんて……!)


 「ねえ、海斗。どうする? 撤退する?」


 同僚の矢上美亜やかみ・みあが、震える声で聞いてくる。


「いや、こんなところで撤退したら、頑張った山上が報われないだろ! ――俺があの化け物の相手をする。お前はあの機械共を叩いてくれ。もし俺がやられたら、その時は迷わず逃げろ」

「ほんと、無茶なお願いばっかり。……ま、海斗らしいっちゃ、海斗らしいけどさ」

「すまん、頼むよ」

「うん、そっちも頑張って!」


 美亜は悲しげに、今にも零れそうな涙を堪えながら、機械ワットの群れへと切り込んでいった。


「フッ、笑わせるな。お前ごときが俺の相手をだと? まださっきの適性Sの方が勝てる見込みがあったぞ」


「そんなの分かってるさ。俺の目的はお前を倒すことじゃない。時間を稼ぐことだ……絶対に、誰かが来てくれる!」


「そう思うなら、死ぬまで信じていればいい」


 その時だった。


――バゴォーンッ!


 凄まじい衝撃波とともに、目の前にいたマトシが弾き飛ばされた。


 一瞬で安堵が広がる。誰かが助けに来てくれた。透斗か麻奈かと思ったが、違った。


「大丈夫かい、佐伯海斗くん。遅れてごめんね。ここからは私に任せてもらおう」


 顔を上げた先にいたのは、長田支部長だった。


「支部長……!?」


「ああ、私だよ。もう安心しなさい。私がこい……ッ!?」


 支部長の言葉を遮るように、頭上から一振りの剣が猛然と降り注いだ。


「私はカミサ。この軍の指揮を執る者だ。……お前、強いな。私の相手をしろ」

「そうかい。だが今は忙しいんだ、君の相手をしている暇は――」

「拒否は許さん!」


 激突。カミサの一撃を正面から受けた支部長は、そのまま遠方へと吹き飛ばされる。カミサもまた、獲物を追う獣のように支部長の後を追って消えた。


(クソッ、結局状況は変わらずかよ!)


「さあ、カミサ様も行かれたことだ。……始めようか」


 いつの間にか、吹き飛ばされたはずのマトシが傷だらけの体で戻ってきていた。


 直後、マトシの影が目前に迫り、鋭いギアが俺の顔面を貫こうと突き出される。


「……俺は、そう簡単に負けるわけにはいかないんだ! 『リミッター一部解除パートアンロック』!!」


 全身に爆発的な力がみなぎり、視界が鮮明に研ぎ澄まされる。


「フッ、さっきの適性Sがこれを使ってくれていればもっと楽しめたんだがな。まあいい。さっさと来い!」


 海斗の『リッパー・エッジ』と、マトシの『手爪』が火花を散らして激突する。

 浜松駅前、極限の第2ラウンドが幕を開けた。

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