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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第四章 浜松合宿編
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渚vsマトシ

「なんで、こんなことに……」


 強いワットが来ることは予想していた。けれど、まさか私一人で相手をすることになるなんて。作戦では、蓮さんと二人で強いワットと共闘するはずだったのに、現実は非情だった。


 「おい、山上! 大丈夫か? 一人でいけるか!」


 佐伯くんが心配そうに声をかけてくれる。


 「うん、大丈夫。佐伯くんはあの柱から無限に湧いてくる機械ワットを叩いて! 明らかに人数が足りないから」


 「……了解! 死ぬなよ、頑張れ!」


 佐伯くんは短く応じると、再び敵の群れへと飛び込んでいった。


 「おいおい、余裕だな。本当にお前一人で俺を倒せると思っているのか?」


 「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ!」


 私は地面を力一杯に蹴り、マトシの懐へと鋭く潜り込む。


 「ホワイト……ッ!!」


 技を繰り出そうとした刹那、マトシのギアが私の脇腹を掠めるように突き出された。間一髪、自分のギアで受け流すが、衝撃で腕が痺れる。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」


 戦場に私の荒い呼吸だけが響く。


「フッ、適性Sと言っても、剣術はまだお粗末なものだな」

「うるさい! 絶対にお前を倒すんだから……!」

「本当にできると思っているのか?」


 マトシの冷徹な問いに、私は答えることができない。


 (こいつ、強い)


 「まあいい。俺の本気、少し見せてやるよ」


 ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ、ガンッ!


 彼の拳は驚異的な速度で繰り出され、鋭いギアの先端が、正確に私の急所を貫こうと迫る。


 (まずい、このままじゃいつかやられる。どうしたら、どうしたら、どうしたら……!)


 けれど、焦る私を時間は待ってくれない。


 「終わりだ」


 マトシのギアが閃き、私の視界が反転した。首筋に熱い衝撃が走る。直後、私の体は眩い光に包み込まれた。私は実感した。

……負けたのだ。


 気づいた時には、浜松支部の『リターン・ギア専用室』に横たわっていた。


 (はぁ……ごめんね、みんな。こんな大事な時にやられちゃうなんて。本当に私ってやつは……)


 私が一人、悔し涙を流している間も、外では地獄のような戦いが続いていた。

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今日はもう1回投稿する予定です。

ぜひ読んでください!

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