浜松支部
翌日。私たちはついにストロント浜松支部へと足を踏み入れた。
大通りに面したその建物は、地上八階建ての近代的なビルだった。窓ガラスが陽光を反射して輝き、威容を誇っている。
一歩中に入れば、そこには吹き抜けの広大なエントランスが広がっていた。
「わあ、すっご……! 何これ、本当にストロントの支部なの?」
「ストロントの支部は、基本的には地上にあるのが普通なんだよ。横浜支部みたいに地下へ潜っている方が珍しいんだから」
麻奈の言葉に、私は目を丸くした。
そうだったんだ。横浜が特殊なだけで、本来はこんな風に堂々と構えているものなのか。
そんな会話をしていると、浜松支部の隊員らしき男女二人組が、颯爽と歩み寄ってきた。
「やあ、横浜支部の皆さん。僕は浜松高校付属中二年の山手大地。ハイパー隊員です。今日からの三日間、よろしくお願いします」
「同じくハイパー隊員の村山美南です。よろしくね!」
爽やかな笑顔の山手くんと、快活そうな村山さん。二人とも私と同年代か少し上に見えるけれど、纏っている空気は間違いなく「強者」のそれだ。
「早速ですが、まずは親睦も兼ねて合同演習を始めましょう。まずは僕たち二人と、横浜支部のハイパー隊員二名による模擬戦を行いたいと思います」
「えっ、いきなり……誰がやるの?」
思わず聞き返してしまったが、答えは分かりきっていた。
「フフッ、渚。見てなさい。私が浜松のハイパー隊員をサクッと返り討ちにしてあげるから」
「おい麻奈! 変なフラグ立てんなよ」
呆れ顔の透斗と、やる気満々の麻奈。
やはり、横浜の代表はこの二人だ。
(一体、どんな戦いになるんだろう……!)
期待に胸を膨らませながら、私たちは会場へと移動した。
◇
改めて驚かされたが、浜松支部は本当に規格外だ。
最上階の八階には、見上げるほど天井が高い巨大なバトルコートが備わっていた。
観客席は五百席もあるらしい。
(横浜支部の全員が座ってもお釣りがくるなんて……。っていうか、こんなに席が必要になる時があるのかな?)
そんな私の疑問をよそに、会場の照明が落ち、コートを照らすスポットライトが激しく明滅する。
熱狂的な静寂の中、ついに試合開始のアナウンスが響き渡った。
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