嫌な予感
「ふぁ〜あ……。ねむッ。マジ昨日あんなに頑張ったのに、今日学校とか信じらんない」
スーパー隊員大会が終わった翌日。
登校中も、頭の中にあるのは昨日の光景ばかりだ。まさか透斗があんなに強かったなんて。
どうやったらあそこまでいけるのか、考えれば考えるほど溜息が出る。
教室のドアを開けると、真っ先に声が飛んできた。
「お、山上! 昨日お前、マジで凄かったな!」
駆け寄ってきたのは佐伯くんだ。
「ありがと。でも、私はまだまだだよ。……あれ、佐伯くん。麻奈たち見なかった? いつもなら私より先に来てるはずなんだけど」
「あー、あいつらなら『ストロント』から呼び出し食らってるんじゃねーか?」
「呼び出し?」
やっぱり、大会の後だし何かあるのかな。私はふと思い出して、声を潜めた。
「ねぇ、あとさ……虎徹先輩がどこにいるか知ってる? 麻奈か透斗に聞こうと思ってて忘れちゃって」
その瞬間、佐伯くんが「お前、マジか……」と言わんばかりに目を見開いた。
「お前、それを知らないのか。……まぁいい、虎徹先輩は今、ストロントの医療室で治療中だ。命に別状はないらしいけどな。しかし驚いたよな、あの虎徹先輩が暴走するなんて。……あ、ちなみにハイパー隊員は自由に面会できるけど、うちらスーパー隊員は、支部長かハイパー隊員の許可がないと会わせてもらえないらしいぞ」
「そっか……。ありがと、佐伯くん!」
お礼を言うと、彼はひらひらと手を振って友達の輪に戻っていった。
入れ替わるようにして、教室に麻奈と透斗の二人が姿を現す。
「おはよう、二人とも! 今日は遅かったね、何かあったの?」
駆け寄る私に対し、麻奈がニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「うん、まぁそんなとこ。それより渚、マジでとんでもなく面倒で、……最高におもしろそうなことになったよ」
「えっ、何それ」
「今日あたり、家に『お知らせ』の封筒が届くはず。楽しみにしてなよ!」
(めんどくさくて、おもしろいこと……?)
首を傾げたまま授業を受け、放課後。帰宅して郵便受けを覗いた私は、その答えを突きつけられた。
「……ストロント横浜支部、浜松合宿のお知らせ?」
封筒の文字を見た瞬間、背筋にツンと冷たいものが走る。嫌な予感しかしない。
けれど、同時に胸の奥が熱くなるのを感じた。たとえそこが地獄のような場所だとしても、今の私は、行かなければならない気がしている。
「それにしても、なんで急に浜松なんだろう。あそこに何かあるのかな。まさか……」
そこまで考えて、私は思考を強制終了させた。 これ以上先を想像するのはやめよう。ロクなことにならないのは、分かっているから。
第三章 スーパー隊員編終了です!
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