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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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適性Svs適性Z②

 はあ、何この運の悪さ。

 こんなに早く結愛さんに見つかっちゃうなんて......


 正直、さっきのワットは敵ではなかった。むしろ、全然余裕だった。


 でも目の前の適性Z、結愛さん。この人はほんとに異常! 隙がないし、勝てる要素がこっちにはない。

 まるで私のいままでの努力を『無駄無駄!』と言っているようだ......


 とそんなことを考えていると、シュンッと結愛さんが消える。油断した瞬間にやられると私は思う。


 ドォーン!!!


 次の瞬間、結愛さんのものすごい一撃が来た。

 さすがにいなしきることができない......

 ていうか、ここは一応、ストロントの建物の中だ。

 だから建物を壊したくないし、外に出なければならない。と、ここで私は良い案を思いついた!


 私はされるがままに結愛さんが剣を振った方へと飛ばされる。そしてそこで回転して背中が上になるような体勢にする。窓がすぐ近くに迫ってきたら


 「『白攻撃(ホワイトブレイク)』! 」


 バリィィィン!!


 私はなんとか窓を割って外に出た


 べコン......


 ハアハアハア......

 マジでやばかった...... でも急いで体勢を......

と思ったそのときだった。


 上空の一部が赤く光っているのが見える。

 (待って、それはまじやばい!! )


 「『炎突撃(フレアドライブ)』」


 私は急いで体勢を整え、


 「『白攻撃(ホワイトブレイク)』!! 」


 白い光と赤い勢いがものすごい威力をまとい、衝突する。それにより発生した衝撃波だけで周りに少しだけ生えていた草はなくなり、また壁にも大きなヒビが入る。


 気がついた時には私と結愛さんの剣が当たっていた。


 「なんでこんなことするんですか!? 元々隊員なんですよね!? 結愛さん! 」


 そう呼びかけるが、彼女は何も答えない。というか反応すらしない...... これはもしや......

 (いま彼女には自我がない...... とか? いやいや、そんなわけ......)


 「あるわ! 」


 なんか自分で言って、自分で答えるってなんか恥ずかしい......

 ってそんなことより...... あるよ! だって普通、 自分がお世話になった組織の建物ぶっ壊しておいてなんも感じないなんておかしい! 少なくとも私なら何かしら感じちゃう......


 どうしてこうなっちゃったのか...... それは......

 「あのペンダントだよね......」


 そう、そういえば書いてあったのだ! あの本に...... 名前は忘れたけどワットにペンダントを付けられたって! その後どうなったのかは知らないけど多分それを付けられると体の主導権を奪われてしまうのだろう...... 


 助けられる可能性がある手段は2つ。

ペンダントを壊すこと。または、操っている奴を倒すということだろう。


 「結愛さん! 今助けるよ! 」

 「おっ、勘づいた? 」


 その声がして、見上げると、


 「やあやあ、僕はビブル。今は、日本監視局局長後見人をしているよ。おっ、君だね? 適性Sは」


 こ、こいつがビブル......

 結愛さんを倒して、結愛さんにペンダントをつけた人。


 「さあ、お手並み拝見と行こうか! 出てきな」


 あちこちから死神が湧いてくる。


 「かかれ」


 次の瞬間、大量の死神たちが私の方に集結する。

どうしたらいいの?

 そう思ったときだった。あの本に書いてあったそれを思い出したのは......





 ◇





ーもし、たくそんのワットたちに襲われ、ピンチになったら......


 出来れば誰もが遭遇したくないと思うだろうが、誰かしらこの場面に出くわしてしまうと私は考えている。


 そういうときにどうすれば良いのか。私から出せる答えはないが......

 結愛がそのときどうしていたか、を書いておこう。


 これは函館侵攻のときのことだ。


 五稜郭の中心に結愛と私は追い込まれた......

結愛が適性Zのエネルギーを暴走させればイチコロだろう。でもあの五稜郭だ......

 そんなことしたら五稜郭を壊しかねない。

 というか、確実に一部分でも壊れる。


 そのとき結愛はどうしたか、それは

相手の武器も当たらないくらいすごいスピードでエネルギーを纏いながら走り回ること。


 もう、私はそれを視界に捉えることができなかった。でも少し燃え跡、のようなものが残っていた。

 それが証拠だと言えるだろう。


 この技、できる人はそんなに多い、とは思っていない。でもできるならこれを真似すればさらに強くなれるだろう。

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