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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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『関東ストロント祭』②

 大変だ......


 私は読み終えた直後にそう思った。何が、適性Zだ。適性Z、私より適性が高いやつが攻めてくる? 冗談じゃない!


 本を信じ切って良いのかわからないけど信じられない書物を置くほどストロントは頭がおかしくないだろう。


 私は急いで資料室を出る。


 それにしてもストロント祭の目的が適性Zを手駒に持っている日本監視局への威嚇だったなんて......

 変わった目的の祭りだな......

 重要なことがあんなたまたま手に取った本を読んだだけで判明しちゃうなんて......


 部屋に入ると麻奈たちがせっせと作業していた。

透斗が買ってきた景品を置く場所を作っているのだ。


 「みんな! 大変! ストロント祭でもしかしたら......」


 私は本で読んだことを全て話す。


 「渚、本気? 」

 「頭のネジ外れたか? 」

 「病院に行った方が良いかも」

 「やばいわね」


 みんな言いたい放題言ってくれる。

 マジ、超ムカつく......


 「本気も何も、本に書いてあったんだよ! 本だよ? 本にしっかり書いてあるんだよ? 」

 「そんなこと信じなくていいよ、渚」

 「そんなことどうでも良いから早く手伝ってくれ」

 「こっちは大忙しなんだよね......」

 「あなた、自分の仕事しっかりやったのかしら?」


 まあ、確かに、信じなくてもいっか! そんなことあるわけないしね! あったら麻奈や透斗たちのせいにしよう。


 そして私もせっせと準備を始めた。




 ◇





 そしてとうとうその日はやってきた!

 『関東ストロント祭』!


 私がたくさんの名案を出したり...... 如月先輩にいろいろお願いしたり...... 如月先輩と一緒にワットに襲われたり...... 景品を買いに行く人の押し付け合いをしたり...... いろいろあったけど楽しかった。


 そういえば、資料室で本を読んだな......

 まあ、別に信じる必要はないでしょ!


 ということで問題!

 私は今何をしているでしょう?

 それはね......

 ーーーー最終確認、でした!


 あ、そうだ!

 昨日知ったことをみんなに教えよう!


 お化け屋敷とか、輪投げとか、別にストロントに関連していなくても良かったらしい。

 マジ何のためのストロント祭か、分からなくなるけど......


 つまり私たちはわざわざストロント関連のものを選んだ真面目グループってわけだ!

 これはたくさん人が来るぞ!

 まあ、分からないけどね......


 そして最終確認を終える。と言ってもギアの調子を確かめたり、しっかり私が持ってきたプラスチックで包装されているか見たり、ということくらいしかない気がする。麻奈が細かいチェックはしてくれてるしね。


 そしてそうこうしているうちにとうとうその時はやってきた!





 ◇





 ピピピピピピピピ


 この音が鳴ったということは......


 私は門の方を見た。如月先輩が屋上に立っている。


 『みなさん、こんにちは! 今日は『関東ストロント祭』にご来場頂きありがとうございます! 本日まで隊員たちは精一杯準備をしてきました! なのでみなさんがめいいっぱいこの『関東ストロント祭』を楽しんでくれることを願っています!それでは『関東ストロント祭』1日目、開始です! 』


 その合図で一斉にたくさんの人がストロントの敷地に入っていく。

 (よし、頑張るぞ! )


 私はひそかにそう決心した。




 ◇




 私のところには開始早々たくさんの人が来た。

開始から1時間が経った今でも部屋の外には行列ができている。だいたい、1時間待ちくらいだろうか。


 雛が必死に整列しているがどんどん列は伸びていくばかり。某有名遊園地のアトラクションの係員の人の立立場に立ってみてわかった...... これ、めっちゃ楽しいって...... なんかよくわからないけど楽しい......

ーとここで問題が発生した。


 景品の数が少なくなってきた。このままだとあと1時間くらいで無くなるというのだ......


 「麻奈、無くなったら一旦休止でいいんじゃない?

 このペースで行ったらちょうど昼くらいに無くなるんでしょ? あとお金は足りるの? 」

 「お金は全然足りる。まだストロントから支給されているお金すらまあまあ残ってるから。あと1度休止にすると人が来なくなるから嫌なんだよね......」


 やっぱり麻奈は私みたいな劣等生(バカ)とは違って優等生だった。私も優等生に生まれたかったな......

 これはもう心の問題というより、神様からの好感度のもんだいだろう......

 と、ここで私は名案を思いついた。


 「そうだ! 足の速い透斗に買ってきてもらえば良いよ。プラスチックはまだまだ余ってるから全然足りるよ」


 麻奈の目がキラリと輝く。

 そして麻奈は透斗にお願いしに行った。

 透斗ならすぐに買って戻ってきてくれるだろう。

 そういえばうちって12時から12時45分まで昼休憩だったような......

 まあ、いっか!


 この調子で今年のストロント祭も楽しく平和に終わると思っていた......

 なのに......


 急に嫌な気配を感じ取る。この部屋の中だ。

 気配を探すとそれは客の1人が出していた。

 なんとそいつはギアの剣を持っている。

 その先には客が何人も立っていた。


 (まずい......)


 そしてそいつの剣からエネルギーは放たれる。

 開戦の狼煙が上がった。

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