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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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可哀想な透斗

 「はい、渚。上手く調整できたわ。あとこれ、例のプラスチックよ。 これで包装しておけば、この銃で撃っても傷つくことはないわ」

 「ありがとうございます! 何から何までお世話になります! 」

 「いいってこと、気にしないで」


 なんというか、最近如月先輩は丸くなった。

ワットに図書室で襲われた日から......

あ、体のことじゃないよ! 心の話。

 失礼なこと考えたらダメだからね?


 私は図書室を出る。

(まあ、何かを思い出したんでしょ! )


 私は大して気にせずに図書室を出る。


 (そういえば、私が戦ったカブトは透斗でも勝てなかったらしい。でもあんだけ悔しがってたんだ。きっと、なんか運悪く当たってバランスでも崩したんだな? 私天才! )


 勝手にそう推理していると、雛ちゃんがこっちに手を振りながら来ていた。


 「おーい! 作って貰えたの、渚? 」

 「もちろん! 如月先輩は優しいからね」

 「えっ? 」


 (ん?何がおかしいんだろう。まさか、如月先輩はそんなに優しくない......とか? まあ、いっか! )


 「てか知ってる? ギアの弾に強いプラスチックがあるんだって! 」

 「渚、嘘は良くない。わたしでも怒る時は怒るんだからね」

 「え、本当だよ! 嘘なんかついてないよ! 」


 私は雛の中での私の評価が低いことを実感した。


 「ほら、見てよ! これ如月先輩が注文してくれたギアの弾に強いプラスチック! すごいでしょ! 嘘じゃないってわかったでしょ! 」


 その時私は気づかなかったが、雛は苦笑していた。





 ◇





 それにしても不穏だな......


 私は麻奈にギアとプラスチックを渡している時にそう思った。

 (だっておかしいじゃん! 今回はただのお祭りがあってその準備をしているだけだよ! なのに、いきなりワットに襲われるとか...... もう嫌になる......)


 「渚! 」

 「わあっ! 」


 そんな感じに考えていたらいきなり麻奈の顔が目の前にびっくりして変な声が出てしまった。恥ずかしい......


 「これでもう完成だな...... あとは置く景品を買ってくるだけだな...... いやー、良かった良かった間に合って」


 透斗が呑気にそう言う。バカ、透斗! そんなこと言ったら......


 「おっ、透斗。暇そうじゃん! じゃあ良い感じの景品を買ってきてよ! さすが、透斗! 優しいなー」


 実羽は頭を抑えて呆れていた。まあ、それはそうだろう。ほんとに麻奈ら会った時からなんにも変わってない。でも実羽は麻奈に注意しない。これはつまり

 (実羽さんも行きたくないんだね)



 「えっ、いやー、別に俺暇ってわけじゃ......」

 「えっ、透斗、やってくれないの? ほんとにお願いだから......」


 麻奈が上目遣いでお願いする。もうここまでされたら透斗はもう断れないだろう。

 多分私は目がハートになっていただろう。

だって麻奈が可愛すぎるのだ。私が男だったら麻奈に惚れる自信がある。

 透斗がこっちを向いて助けを求めるが、私は無視した。透斗を助けたらその矛先が私に向く。


 とまあ、そんな感じで透斗は頑張った......

 十分すぎるくらい頑張った。

でも麻奈のお願いは断れなかった。まあ、当たり前だろう。麻奈はさっきも言ったが結構可愛いのだ。

そんな麻奈が上目遣いで男の子にお願いしたら......

あー、恐ろしい......





 ◇





 「みんな、俺まじで何買えば良いのか分からないから案を出してくれないか? 」


 透斗が麻奈の顔をうかがいながらそう聞く。

透斗、かわいそう......

 完全に尻に敷かれてる。別に恋人では無いんだろうけど...... でも2人は幼なじみだからなる可能性は十分にあるだろう、というか高い!

 というか麻奈は絶対透都のこと好きだし。隠すのが下手だから分かりやすい......

 夫婦になったら絶対に尻に敷かれるな......


 「こういうのは定番! シャボン液とか! 」

 「いやいや、お菓子でしょ」

 「小さい水鉄砲とか? 」

 「百均のおもちゃなんかも良さそうね」


 透斗はうんうん、と頷いている。


 「じゃあそこらへんを買ってくるよ、気が向いたら......」

 「「「「よろしく! 」」」」


 みんな、自分たちでやる気はないらしい。私もだけど......

 こうしてストロント祭についてのもろもろが決定したのだった。

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