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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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vsワット⑤

1つ目は麻奈視点、2つ目、3つ目は透斗視点です。

 私たちは渚の位置情報を送ってもらい、急いで渚の方に行く。


 凛さんの時も位置情報を送ってもらった。なんで凛さんを先にしたかと言うと、凛さんより渚の方が強いので、渚の方が長く持ちこたえてくれるだろう、と考えたからだそうだ。


 (もう! それで渚がやられたら本末転倒じゃない?)


 そう思ってしまったからだろうか。渚の方に急いで向かい始めてから五分ほど経ち、もう少しで渚のところに着く、となったところでその悪い知らせは来た。


 『透斗くん! 麻奈ちゃん! 渚ちゃんが『リターン・ギア』で横浜支部に強制帰還したよ! それと、その近くには強いワットの反応がある! 念の為すぐに離れて! 』


 その知らせを聞いた次の瞬間、私たちの上からそれはやってきた。しかし、私は反応することすら出来なかった。なにせ、そいつは速すぎたから......


 バギィィン!


 でも透斗がまた止めてくれていた。


 「麻奈、こいつは速すぎてお前には対応できなさそうだ。一旦帰れ。こいつは俺が何とかするからさ」


 透斗から実質戦力外通告される。悔しかった......

悲しかった...... でも、私には透斗や目の前のワットの速さに対応できない。透斗の邪魔になるのは嫌というほどわかった。


 私は透斗の言葉に頷いて、その場から離れた。





 ◇





 「君だね? 僕の大切な弟を殺したのは」

 「何の話だ? 」


 弟? ワットはほんとうにが人間なのか?俺の頭は混乱する。実は透斗はまだワットが人間であると信じることができていない。混乱するのも当然であった。しかし、すぐにその考えを追い出した。今はそんなことを考えている場合じゃない、と。


 麻奈は相当速くなった。少なくとも俺が稽古をつける前よりは。なのに、こいつ麻奈でも反応できない速度で攻撃してきやがった...... 久しぶりだな、こんな速いやつは。


 俺より少し遅いか、同じくらいかのどっちかだ。


 「忘れたのか! 最低なヤツだな! 殺した者の名前すら忘れるとは...... ビルツという子だよ......

ほんとにお前は殺してないのか? 」

 「はあ? 」


 ビルツだと? あいつとこの強いやつが兄弟?

なにもかもが全然似てないな......


 「やはり君か、態度でわかる...... ビルツ、お兄ちゃんがこいつを倒すよ......」


 次の瞬間目の前のワットが一瞬で間合いを詰めてくる。


 「僕のの名前はカブト! 君のことは許さない!

殺すなと言われてるから殺しはしないが心をへし折ってやる! さっきの女も一緒にな! 」


 ガギィィン!


 戦いの火蓋は切られた!





 ◇





 凄まじい速さで2本の刀はぶつかり合う。

何度も...... 何度も......


 はっきりと言うと戦況は互角だ。

 でも1回でもミスったらすぐに劣勢になる。それが嫌という程わかる。こいつ、ほんとうに強い。

 こんなに緊張感があるのは浜松ぶりだった。

 渚が長時間耐えられたのが逆にすごい。

 まあ、もしかしたらこいつが本気を出していなかったからかもしれないが......


 ガギィィン! ガギィィン! ガギィィン!


 何回も凄まじい攻撃がぶつかり合い、その度にすごい音、衝撃波が発生する。


 この戦いは長く続くとお互い思っていた。

でも終わりは戦いが始まってから一時間後唐突に訪れる。


 それは透斗がものすごい速度で地面を蹴ろうとしたその時だった。


 コツン......


 透斗の頭の真上にあった木から小枝が1本透斗の頭に落ちる。それにより、透斗の重心が僅かにズレ、しかしそれにより大幅にスピードが落ちたのだ。

 それをカブトは見逃さなかった。


 「『大槍突撃(ビックスピアドライブ)』! 」


 ものすごい速い技にスピードを落とした透斗が対応できるはずもなく......


 ヴァン!!


 透斗の胸をその攻撃は貫いた。


 「化け物が......」

 「弟を殺したお前もそうだろ......」


 透斗はふっと微笑むと『リターン・ギア』によって横浜支部に強制帰還させられた。

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