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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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vsワット②

2つ目、3つ目は凛視点です。

 私は確かにカブトを斬ったはず、だった......


 なのに、斬った痕がない。えっ、どうして?

結構良い感じに入ったと思ったのに......

斬ったからもう居ないはずのカブトが無傷でそこに立っている。


 「フッ、俺の倒し方を分からないようじゃ、俺は倒せねえ。まあ、倒せるとはもとから思ってはいないが......」


 そうか、この余裕な態度の理由はこれか......

でもさっきは普通に槍で応戦していた。私を倒そうとする感じはあまりない...... つまり......


 「弱点はある......ってことか......」


 (もしかして分身とか? あの忍者とかがやるような。でも分身なら斬ったあと消えるとかするはずだよね......)


 私は変わらず攻めたり守ったりしながら考える。


 (もしかして物理攻撃が効かないとか? あ、でもそれなら槍で私の攻撃を防ぐ必要はないか......)


 あれでもない、これでもないと必死に考えるが、すぐに否定してしまう。どうして効かないの! 頭を使うのは私の仕事じゃないって! 如月先輩!

たすけてぇー


 「残念な頭をしているようだな......これは俺を倒せなさそうだな......」


 次の瞬間、一瞬でカブトは距離を詰めてくる。なに、こいつ!透斗ほどでは無いけど、こんなに速いなんて!


 「さようなら、だな。『大槍強撃(スピアバースト)』!! 」


 さっき私の『ホワイトアクト』を止めた技。威力はほんとにやばそうだ。やばくなかったら『ホワイトアクト』を止められるはずがない!

 でもこんなところで負けるわけにはいかない!


 歯車、もっともっと回れ! 回るんだ!


 「『白突撃(ホワイトドライブ)全力(オール)』!」


 そしてまた2つの異次元はまた激突した。





 ◇




 クソ、クソ! なんで、なんで!


 私はたくさん特訓してきた。浜松にワットが侵攻してきた時、あまり活躍できなかったからその悔しさを糧にたくさん特訓してきた。

 オペレーターとしての仕事がどれだけ忙しくてもみんなに負けないくらい特訓してきた。なのに私はまた負ける...... 

ワットに負ける...... 弱いまま......


 「だから言ったであろう? 無駄だって。お前はリミッターを解除したところでそんなに変わっていない。まあ、そんなことはよい。お前の心を折れと命令されているのだ。ついてきてもらおう。


 (嫌だ...... 嫌だ...... わたしはまだやらなきゃいけない事がある...... 渚と一緒に背負うと決めたこともある...... なのに......)


 私は渚の顔を思い浮かべた。あの子は何も悪くない。ただ私が巻き込んだだけ。私が意味のないことを、危険なことを調べて渚に伝えたから......


 巻き込んでしまった人が頑張っているのに、自分はやられるがまま? そんなの冗談じゃない!

 あの子とたくさん特訓してきた。いつも付き合ってくれて、大切な訓練の時間を私に預けてくれていた。

私はまだ負けられない!


 私は自分のエネルギーを剣と足にためていく。


 「ほう、まだそんなことをする力が残っていたか...... いいだろう。受けて立つ」


 そいつは防御の態勢を整える。準備をしているのはお互い同じ。どっちが強いかが勝負を決める!


 「『破君斬(はくんざん)』! 」


 強い相手を想定した渚との特訓で渚と開発した私の専用技。相手のエネルギーが多いほど相手に大きなダメージを与える。私のこれまでの集大成! 


 「「はあああああああ!! 」」


 ワットはこれまでとは違い、余裕のない表情をしていた。


 横浜の住宅街には似合わない光、音、声がする。周りの住民が違和感を覚えたのは言うまでもない。




 ◇




 気がつくと私はある家の囲いにもたれかかっていた。幸い囲いには傷はあまりついていない。少しだけ安心した。でも......


 「こんなに傷つけられるなんて想定外だが、まあもうこの状況を挽回できる手立てはなさそうだな。もう観念しろ」


 どんどんワットが近づいてくる。


 「嫌だ...... 来ないで......」


 大声を出したつもりが怪我、恐怖によって小声しか出ない。頭では大丈夫と思っていたが本心は恐怖に染まりきっていたのだ。

 オペレーターさんにも繋がらない。いや、繋がるはずがない。なにせ、むしろ私がオペレーターのひとりなんだから...... 私はオペレーターだから、私のオペレーターはいない。もうおしまいだ......


 「さあもう...... ッ......! 」


 ワットは急に目を大きく見開き、急いで後ろに動く。次の瞬間、男女2人組が現れた。


 「あ、凛さんじゃん! 大丈夫? 」


 麻奈だった。じゃあ一緒にいる男の子は......


 「おっ、如月先輩! 大丈夫ですか? とりあえずあとは任せてください」


 麻奈と透斗はワットの方を向く。


 「「私たち(俺たち)がなんとかします! 」」

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