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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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vsワット①

2つ目は麻奈視点、3つ目は凛視点です。

 剣と槍が衝突する。

 私からしたら剣の方が槍より扱いやすい、というか動かしやすいと思うのに当たり前のようにカブトは対応してくる。


 如月先輩は多分苦戦しているだろう。なにせ、如月先輩はどちらかと言うと事務系なんだ。オペレーターにもなっているくらいだし。つまり、体を動かす系ではない。


 槍は剣とは違い斬るというよりは突くもの。まあ、斬るといのもできなくは無い。だって目の前のカブトは普通に斬ってくるし。


 「君、なかなか筋がある。剣術は達人レベルに近い。そして適性はものすごく高いようだ。我が国に来るのなら命を保証しても良い。この提案にのるか?」


 こいつはまだ余裕があるようだ。じっくり私を観察している。私は無力感を味わう。でも諦めるわけにはいかない! 久しぶりに私の中の歯車に手をかけるイメージをする。そしてこう念じた。

 私の歯車、目覚めろ!


 次の瞬間リミッターを解除しているわけではないのに力が溢れる。


 「出鱈目だな。こんなの見たことがない。これは適性によるものだな? でも楽しめそうだ」


 私は一瞬でカブトの懐に潜り込む。そして放つ。歯車が回している時にだけできる必殺技!


 「『ホワイトアクト、全力(オール)』!! 」

 「フッ、出し惜しみはできないな......

 『大槍強撃(スピアバースト)』!! 」


 次の瞬間異なる異次元の威力をもったもの同士がぶつかり合い、ものすごい音が響く。衝撃波が発生し、その広場に生えていた雑草は全て吹き飛んでいた。





 ◇





 「おりゃ! 」

 「フッ......」


 ガァン! ギィン! ガァン! ギィン!


 私は今透斗と訓練中だ。渚がギアの調整を頼みに行っているため、今日はストロント祭の準備はしない日になっている。決して渚に押し付けたわけではないというわけではない。だから暇だしたくさん訓練するのだ。


 まあそれはあのカミサってやつのせいだろう。私たちはまた自分たちの弱さを突きつけられた。まだまだ自分たちは強者のワットには遠く及ばないということを......。


 基本的な動き、剣の持ち方、振り方、そして相手への対応などを訓練によってしっかり確認していたその時急にオペレーターさんの声が響いた。


 『透斗くん、麻奈ちゃん、綱島の外れの〇〇にある広大な空き地でワットと山上隊員、如月隊員が衝突しているの。至急二人で応援に向かって欲しい』


 (なっ......)


 次の瞬間透斗が素早く私を担いで加速する。私では絶対到達できない速度だ。私もそうだが、透斗も焦っているのだ。でもさすがに異性、しかも透斗に担がれるとドキドキする。まあ、透斗に触られたくないところなんて、少ししかないし、平気だが......


 「麻奈、すまん。嫌かもしれないが、少し急ぎたいからお前を担ぐ。しっかり掴まってろよ! 」


 そしてまた加速する。ほんと、どれだけスピードをあげられるのだろうか。しかし、そんなことより渚の無事を祈る


 (待っててね、渚)





 ◇






 こいつは強い! 負ける! そう思った時にはもうすでに剣を突きつけられてた。


 「お前たちの抹殺命令は出ていない。しかし、心を折れとは言われているんだ。 ついてきてもらう。

 お前と一緒にいたやつはお前よりは強そうだったし、俺と戦っても五分五分だろうが、カブトに勝てる可能性は低い。そのうちこれから行く場所に来るだろうさ」


 くそ! 私の弱さに腹が立つ。こんな所で心を折られてたまるか! 私はワットから街を守り、そして十条のことも突き止めなければならない。こんな所で負けるくらいなら......


 「リミッター完全解除(アンロック)! 」


 私のエネルギーが溢れる。


 「お前らの主の正体は暴く!こんなところでは負けないわ」

 「意味のないことを......」


 そして2人の剣は衝突した。





 ◇







 土煙が晴れて、私は目を見張った。


 なんと、私の剣が止められていた。歯車を解放して、リミッターも一部解除して、エネルギーを放出して、それでもまだこいつにはかなわないのか......


 でもまだ終わりじゃない!


 「ほんと、きみには戦いのセンスがある。適性もA、もしくはSに達しているのではないか? ほんとうに高いだろう。でもね、私に敵うかと言うと、Noだ」


 カブトはくるりと回転し、私を蹴る。それはものすごい力だった。


 バゴォーン!


 急いで剣でいなそうとしてもいなしきれず結局ぶっ飛んでしまった。そして壁に体を打つ。ギアを起動しているのに......

 痛い......。なんて強い力......


 「君が我が国に来てくれると言うのなら苦しめることはしないのだがな......敵には容赦できない」


 カブトが残念そうにそう言う。私だって残念だ。


 「君を倒さなくちゃいけないからね! 」


 私は一時的に抑えていたエネルギーを利用して一瞬で懐に入った。そして剣を振り下ろす。

 この攻撃にかける!


 「おりゃああーーーー!! 」

 「ッ......」


 流石に不意打ちをしてくるとは思わなかったのか、急いで対応しようとする。しかし、もう遅い。もう私の剣がお前を斬る!


 そして、私は剣でカブトを斬った、はずだった......

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