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ストロント・ギア ―適性Sの戦痕―  作者: コロッケパン
第五章 『関東ストロント祭』編
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平和の終わり

 「浜松合宿のとき、浜松はワットに襲われたじゃない? あれは前に私が話した話した十条の命令だと私の勘が言ってるのよ。まあ、勘だからあっているかは分からないけど」


 如月先輩、私からの切実なお願いです。ほんとうにおねがいだから、そういうのを私に言わないでください。ほんとうに面倒事には巻き込まれたくないんです。


 「まずはこれを見て欲しい。浜松合宿が始まる1週間前に私の作ったプログラム『ワット通信感知プログラム』に引っかかったものがあったことがわかったの」


 如月先輩がそれを再生する。すると聞いたことがない人の声が出てきた。


 『おい、ワルト。わかったな? 浜松は今後重要な拠点となる。日本を侵略する上での、な? だからお前には浜松を占領してもらいたい』


 こんなのやばいじゃん、如月先輩なんでその時気づいてくれなかったの!


 『あと横浜支部に俺の正体を明かそうとしているやつらが2人くらいいるんだ。しかし、殺すのはまずい。だからそいつらが出てきたらボコボコにして、心を折ってやって欲しい。そのために『浜松侵攻作戦』は横浜支部の隊員たちが合宿している日のどこかで決行して欲しい』


 (まさか、私たちのことがバレていたなんて)


 そのときだ。さっき音声を再生していたパソコンの画面が急に真っ赤になる。まずい!


 すぐに如月先輩がパソコンを窓の外へ投げる。

次の瞬間、


 バゴォーン!!


 パソコンが爆発したようだ。なんでこんな......


 「ハハハハ! さすがにこれでは倒せないか、まあ倒せたらつまらないんだけどな」


 いつの間にか図書室に入ったのか、黒いフードを被った人が2人歩いてくる。なんだ、あの人たち?


 「俺はカブト。お前たちあの方の正体を嗅ぎ回っているようじゃないか。俺たちがその腕、確かめてやろう」


 こいつら、ワットのヤツらだ。間違いない。私はすぐにギアを起動し、急いで如月先輩を持つ。こんなの分が悪い。直ぐに逃げないと!


 「ちょっ、なぎ......」

 「すみません、先輩。でも急がないと......」


 私は加速しすごい速度で窓から図書館を出た。





 ◇






 もう結構逃げた。結構広い空き地があったのでそこで休むことにする。


 ストロントのみんなを巻き込まないために、ストロントの方には行かなかった。これは私たちの問題なのだ。みんなを巻き込みたくない。


 「すみません、如月先輩。急に持ち上げたりして......」

 「大丈夫よ、助かったから。それにしてもあれも規格外(イレギュラー)だったわ。私たちはもう......」

 「これで逃げるのは終わりか? おめえら」


 声のした方を見てみると見てみると黒いフードを被った2人組がいた。追いつかれたようだ。もう私たちはわかった。これはもう逃げても無駄だって。


 「先輩、もうやるしかありません......」

 「そうみたいね......」


 「ギア、セット。――起動! 」


 如月先輩もギアを起動した。


 ひと足早い戦いの火蓋は切られる!





 ◇





 ガァン! ギィン! ガァン! ギィン!


 私VSカブト、如月先輩VSカブトの連れに分かれて戦っている。このカブトってやつ、ほんとに只者じゃない。


 まずカブトが使っている槍、動かし方がいたって自然で、軌道が読めない。だから槍を避けるだけで一苦労だ。


 (新宿のときのカマカミや浜松のときのカミサには全然及ばないから、如月先輩の方をカバーしながらでも余裕があると思っていたのに......)


 何より、槍が速い。それこそ有り得ないほど。

(もう、せっかく平和で楽しい日々だったのに......)


 そう、つい最近までは平和すぎて暇とまで思ってしまったのだ。なのに......


 「もう許さないよ! 」

 「あっそ。まあ僕からしたら君なんてまだまだ弱いよ。手加減してあげてるんだよ。君が調子に乗るのなら仕方がない。『強槍化(きょうそうか)』! 」


 ヒシリと威圧が来る。それほど強くないが、私がひとりで勝てるかは危ういレベルだ。

 でもそっちがその気なら......


 「『リミッター一部解除(パートアンロック)』!」


 久しぶりのリミッターの解除。浜松以来だ。まさか、『関東ストロント祭』の前にこれをしなければならなくなるなんて......。


 「お前は私が成敗する! 」

 「それはこっちのセリフだね」


 ふたつの大きなエネルギーの塊がまた激突する。

普段の横浜の住宅街では考えられないような音が何回も響いた。

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